#27 最近よんだもの(5)
大阪市立図書館で近く行われる津村記久子の講演会に行きたかったけど、諸般の事情であきらめた。コストと労力の問題が大きいのだが、「水車小屋のネネ」は5回通して読んだほど好きで、やはり残念。
最近読んだ本で、とんでもなく面白かったのが「成瀬は天下を取りにいく」(宮島未奈、新潮社)。才能のある人というのはいるものだ。2回通して読んだ。新作を楽しみに待ちたい。余談だが、滋賀を舞台にしたこの作品を読んだので、映画「翔んで埼玉」の続編を観に行こうと思っている。さらに余談になるが、ダ・ヴィンチ最新号で、この映画に出演している二階堂ふみが「現代思想入門」(千葉雅也、講談社現代新書)を推しており、大変好感をもった。この本、衰弱堂さんも褒めてたなあ。
「5回読んだ」「2回読んだ」というような記述が続きましたが、いわゆる「精読」にはほど遠いものです。仕事でないものはかなり雑な読み方で、自分でもあきれるほど。念のため。
「文学キョーダイ!!」(逢坂冬馬・奈倉有里、文藝春秋)。高橋源一郎が椅子から転げ落ちそうになったという、驚きの共著。子育て世代の方にもおすすめしたい。でもこのタイトルはどんなもんかしら。トルストイやアレクシエーヴィチについて触れているのは納得のところだが、アンナ・カレーニナについても出てきたので、少ししみじみした。ロシアの文学と血塗られた歴史に学び、平和な世のための糧としたい。いや本当に。戦争反対。
以下読めなかったもの。
「イラク水滸伝」(高野秀行、文藝春秋)。面白いが、これは一気に読み切れない。アウトローもの、水滸伝好きとしては、いずれじっくりと。
「鉄鼠の檻」(京極夏彦、講談社文庫)は出版当時とその後もう一度読了しているはずだが、参禅が習慣となり、百鬼夜行シリーズの新作が出たいま、読み返したくなり買った。「文庫鈍器本」とでもいうべき物理的な困難さは伴うが、内容的に読みにくいわけではない。時間がない。これもまた衰弱堂さんに教えてもらった作家のひとり。
近くまとまった休み取れそうなので、本を読んで映画をみてゲームをして、サウナに入りたい。
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