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#57 百鬼堂農園(9) 枯れども死なず

 ここの文章は書きためたものを推敲した上で出稿しています。よって、時制としてはそれなりに遅れての掲載になります。本当に推敲してんのかという疑いを抱かれる向きもあるでしょうが、一応しています。

 大型連休は3日間休みがあり、出かけていたため畑の様子は見られなかった。前回の追加投入の直後に気温15℃の寒い日があり、連休中には真夏日を記録した。野菜たちにとって厳しい環境だったと思われる。これからもっと暑くなるのか。

 3日ぶりに様子を見に行くと、スナップエンドウひとつは枯れかけて、ジャガイモ苗は5つ植えたうちのひとつだけ葉がほとんどしおれている。低温に弱いというオクラも元気がない。ハツカダイコンは、間引いたあとのものはおおむね元気。もう少し成長してから植え替えすべきだったかも。枝豆は、苗も種から出た芽も青々と成長著しい。生命の力を感じます。このまま育ってくれるとうれしい。

 もう少し様子をみてダメそうなら、オクラの入れ替え、スナップエンドウとジャガイモの一部撤去をやります。懲りずにオクラとシソを植えたい。

 用事もないのにホームセンターをのぞいてしまう。この時期はこんな苗が出るのか、サツマイモもブランド芋は案外高いな、値下げされてるやつはピークを過ぎたのかな、など、いろんな苗を見るのが楽しい。あれもこれも植えてみたいが、枯れてしまうイメージしか浮かんでこない。花ももっと育ててみたい。

 農耕系エッセイで面白いもの、ありませんかね?いとうせいこうの「ボタニカル・ライフ」(新潮文庫)の家庭菜園版みたいなやつ。

 伊藤礼翁の農耕にまつわる随筆を読みつつ、きょうも野菜と向き合う。さらに数日後、元気なものも、弱っているものもある。強風にひしゃげたようになっても、スナップエンドウは必死で支柱につるを巻きつけている。枯れかけていても死んではいない。死んでなければ面倒はみる。頑張れよ、復活の祈りを込めて水をやる。緑の力はみずみずしく、力強い。

 いずれ枯れゆく我が身ではあるが、簡単には死ぬまい。

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