『もののけ姫』その自由な世界
冒頭の戦いの疾走感がハンパない!
タタリ神の呪いにあって右手が強化されたアシタカが番えた矢が放たれると、村の女性を襲っていた野武士の腕がポンっと吹っ飛ぶシーンは右手の強化された腕力が誰の目で見ても分かります。
度肝を抜かれました!
時間があったから懐かしさから何気に借りた「もののけ姫」のDVD。
期待して無かった分、面白さもハンパなかったです。そこからラストまで時間を忘れて一気に見てしまいました。
「もののけ姫」は歴史フィクションでありファンタジーです。
歴史フィクションと言うとどうしても時代劇がイメージされやすいのですが、時代劇は江戸時代を舞台にして勧善懲悪を下敷きにした作品が多いです。
江戸時代の農民と言えば、農村には五人組と言う制度があり、村では総百姓を単位に、5軒1組で組織し、お互いを監視し、助け合い、年貢の確保などのため連帯責任制をとっていました。
農民は貧しいながらも平和に暮らす事が出来ましたが、お互い監視されて四公六民(税率40%)の年貢を払わされていました。飢饉になっても他国に移住する事も出来ずにその土地に縛り付けられる。
身分も住むところに農民は縛られていました。
しかし、この「もののけ姫」の時代背景は室町時代時代中期。
農民も庶民も流動的に動きます。
将軍も天皇の力も弱体化して絶対的な権力が存在せず、色々な勢力が争ったり合従したりして生き残る道を探る過酷な世界です。そして欲望と博愛、自然と文明が対立しごちゃ混ぜになって存在する世界です。
そんな時代背景なので宮崎駿監督の想像力も飛躍します。
石火矢衆が持っていた兵器は正確には火槍で14世紀に中国の宗や明で使用されていた兵器でした。後にヨーロッパに渡りマスケット銃(火縄銃)になる兵器です。
また火薬を使用した爆雷の様な兵器も出てきます。崖の上から落としたり、地面に埋めておいて爆発させてイノシシ達を攻撃しています。
日本における火薬の使用は、戦国時代にポルトガルから鉄砲が入ってからとされています。しかし、室町時代中期に関東圏に中国から火薬の製造法が伝わり戦争において使用されていたとする日本史上のifを作品の中で描かれています。
とにかく「もののけ姫」の世界観は豊かで自由でした!観賞後の爽快感もハンパない…
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