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読書感想文

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2021年5月の記事一覧

こころを読んで

こころを読んで

「こころ」は漱石の明治という時代に対する遺書のつもりで書いたと思います。

常に一人称の私という語り部が物語をつづります。3部構成になっていて上【先生と私】は推理小説みたいな展開になっています。 

私わたくしはその人を常に先生と呼んでいた。だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。これは世間をはばかる遠慮というよりも、そのほうが私にとって自然だからである。

冒頭はリズミカルな文章で

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