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【日本人の持つ大和魂の力】



・日本人とは…?


昨今グローバル化が進み、
多くの海外の方々が日本にいらしています。

もし、海外の方から
日本人はどのような道徳に基づいて物事を考えますか?」と質問された時に
あなたならどのように答えますか?


道徳
とは簡単にいうと、
善悪をわきまえての行為を行うための、
行動や判断の基準となるべき原則のことです。


日本人
どのような考えに基づいて行動すること良し、もしくは正しいとしているのでしょうか?

私は日本に住んでいながら、日本のことをほとんど知らないことに気づきました。



・武士道?大和魂?


旧5,000円札にもなった新渡戸稲造は
英語圏の方々に向けて『武士道』という著書を通じて、
日本人の倫理である
義:正義感や義理堅さ
勇:
勇敢さや忍耐強さ
仁:
寛容さやいたわり
礼:
礼儀正しさや洗練
誠:誠実さや正直
などについて伝えようとしました。


倫理
とは
ある社会で、人々がそれによって善悪・正邪を判断し、正しく行為するための規範の総体のことです。


この日本人の道徳や物事の考え方を世界に伝えようと英語で書かれた本は、
世界中でベストセラーとなり多くの人に読まれたそうです。


タイトルにもなっている
武士道」という言葉の意味を調べてみると、

日本の武士階級の倫理・道徳規範及び価値基準の根本をなす体系化された思想一般をさし、
広義には日本独自の常識的な考え方を指す。

とあります。

このことから、
日本人の常識的な考え方として
「武士道」という価値基準があることが分かります。


また、日本人の精神の特徴を表す表現として、
大和魂」という言葉がありますが、

同著によると、
武士道が武士階級から平民たちに流下し
全人民に対する道徳的標準」となったとき、
それは「大和魂」と呼ばれるそうです。

大和魂」という言葉を辞書で調べると、

日本民族固有の気概あるいは精神
「朝日ににおう山桜花」にたとえられ、
清浄にして果敢で、事に当たっては身命をも惜しまないなどの心情をいう。

とあります。


意味は詳しく知らなくとも、
誰から教えられるでもなく空気の如く自然と受け継がれ
私たち日本人の根底に脈動している「武士道」や「大和魂」という言葉にはどんなエッセンスがあるのでしょうか?

今回は数ある中から
その一つを紹介したいと思います。



・「武士道」とインドの聖典の共通項


武士道』にこんな一説があります。

『或るものに対し或るもの』という報酬の主義を排斥する

新渡戸稲造 『武士道』

つまり、
努力(=行為)と報酬(=結果)の間の相関を根拠にして行動すること、それ自体が武士道に反する

言い換えると、
行為とその結果の間の相関を予見しないこと。

・こういう努力をしたら、その引き換えに、どういう「いいこと」があるのですかと訊ねないこと。


このような発想
そのものが、
日本文化のもっとも良質な原型とされているそうです。

これに代表されるのが、
対価が発生する"サービス"に対し、
対価を求めずに提供する気遣いや心配りの姿勢や行動
"おもてなし"だと言えるでしょう。


日本のみならず、
世界中のあらゆる賢者はこのことを熟知しており、繰り返し説いてきました。


私が今学んでいる
インドの聖典『バガヴァッド・ギーター』にも

・あなたの職務(=やるべきこと、使命)は行為そのものにある。
決してその結果にはない
行為の結果を動機としてはいけない

・苦楽、得失、勝敗を平等のものと見て、
成功と失敗に関するあらゆる執着を捨てなさい

と書かれています。

新渡戸稲造は日本人に向けた本でも

目的を勝敗以上の高所に置け。一生の目的を高きに置いてこれを追えば、途中の障害は多いようでも多くないものと思える」

新渡戸稲造 『幼き日の思い出/人生読本』

と記しています。


また、ギーターには

人の本体部分は肉体ではなくの部分にあり、肉体は必滅であるが魂は不滅である

とも書かれており、
一見過激に見える大和魂の説明も
視座を高めて真理の観点から見れば共通するものを感じます。
(※戦争や切腹を擁護している訳ではありません)



・昔の書物が現代に通用するのか

そんな昔の本がこの科学技術の発達した現代になんの役に立つのか?
という思いが生まれるかもしれません。

昔と今では当然
時代背景価値基準も違います。

生活様式科学技術も含め目まぐるしく刷新される中で
全てを鵜呑みにできるかと言ったら、
かえって妨げとなる考えもあるでしょう。

しかし、
昔の書物は昔のことだから使いものにならない
と全てを切り捨てるのではなく、
使えるエッセンスを抽出し、
自分ごととして捉えて現代に応用して使っていくことができます。


特に聖書、聖典と呼ばれる書物は抽象的な部分が多く、
1人で読み解いて現代に応用するには難解だと言われています。

それには、どの部分が現代の私たちには不要で、どの部分をどのように解釈して使えるか
指導してくださるその道のプロフェッショナルがいれば安全に歩みを進めることができます。

言葉通りに解釈すると、
一見現代に通用しそうにないことや、
曲解してかえって本質から遠ざかってしまいそうなことも、
指導者にその奥にある真意を教えてもらい、知ることができれば、
自分ごととして捉えることができ、日常生活に応用することができます。



・まとめ

見返りを求めると期待要求が大きくなり、
結果に自分の気持ちが大きく左右されることになります。

一時的な状態良い・悪いのジャッジをすることは本質的には不可能です。
それを気にして狼狽するよりは、誠実な心やると決めたことに集中する。

そうすると"迷い"や"不安"などにエネルギーが分散されずに、本当に使いたいことに自分の体力知力を発揮していくことができます。

そして、その力が日本人武士道大和魂として潜在的に受け継がれてきているならば、
知的に理解して、自らの生き方として活用していきたいです。

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