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16日目スペイン・ポルトガル 3,000kmのロードトリップ スペインベテラン撮影コーディネーターのぶらり旅

16日目
今日は昨日と打って変わって快晴。プレガルというビゴの小さな村にある、息子の小学校からの友人の家で持ち寄りでランチをする予定。ラコルーニャに住むマラガの共通の友人LとカップルのFが今朝セビリアから飛行機で来たLの父親をピックアップして合流するという。うちを合わせて9人。
Lたちはイカ墨パエリアを作ってくれるという。朝方息子からアリオリを作るハンドミキサーはあるか?と聞かれたので、作って持って行くと返事する。アリオリとはニンニク入りマヨネーズ。私が作るレシピは卵を使わず、牛乳100CCとサラダオイル200CC、ニンニクひとかけ、塩とビネガー少々をハンドミキサーにかけるだけ。おいしく簡単なので多めに作っていく。これはイカ墨パエリアには味変に必須だが、野菜や肉、魚など何にでも合う。

手際よくエンパナーダを包む

ビゴに行く前にケータリング・マッシーニに寄って、エンパナーダを買い、昨日買っておいたすいかと一緒に持って行く予定。店には外で遅い朝食を食べる人たち、店の中でテイクアウトを買う人8人ぐらいがいた。棚には予約されたらしいエンパナーダが。「今から並んで買えますかね?」とお店の人に聞いたら、「前に並んでいる人たち次第」と言われた。てきぱきとしたベテラン女性たちの応対で直ぐに順番がくる。何かありますか?と聞くと下が開いてしまったというムール貝、うちの一押しの紋甲イカのイカ墨、そしてイワシのがあるという。やった!!ムール貝の切れ端を食べさせてくれたが、すごく濃厚で感動もの。ムール貝といわし全部とイカ墨半分を買うことにする。あ―良かった。私の次の人はあとこのイカ墨の半分しか残っていないのだ。他の店員が来て次は20分位でハムとチーズ、塩鱈が焼きあがる予定だという。ぎりぎりセーフ。ちなみに待っている間よくよく見るとここでは15種類のエンパナーダを作っている。レアなところではバカラオのエラの付け根の部分のエンパナーダ。いつか食べてみたい。

15種のメニュー

ここまでは順調だったのだが、問題発生。車のBluetoothが作動せず、GOOGLE MAPが車の画面に出てこない!今日は寄り道をしているため息子たちの所に行く道が分からないので、音声だけを頼りに向かう。しかし、ビゴの道は一方通行とロータリーや分岐だらけであと5分と言う所で間違って高速道に入ってしまい、残り25分と表示したのもつかの間交通事故のための大渋滞に巻き込まれ、そこを出たけど今度は田舎道。途中で車を放棄したくなる。やれやれ。結果約1時間遅れで到着、息子たちは公園で待っていた。一度エンジンを切ったらBluetoothが作動、そこからは20分位の道のりだった。ふー。

特設遊戯場🎶

2時前に無事到着。素晴らしい眺めの場所。家主のJはカップルのXと普段はビゴに住んでいるが、一昨年ここを買って、友人や家族と共に少しずつ直しているところ。もともとは家畜小屋だったそうだが、石の壁は1m近い厚さの頑丈な造り。彼女はONCE(スペイン視覚障がい者組織)で長年働いている。もともとは視覚障がい者のための組織だったが、現在ではあらゆる障害者の自立・就労を支援する組織で、その財源と雇用先として独自のONCEという宝くじを発行、販売している。就労者数72,000人のうち 58%が障がい者。スペイン最大の福祉組織。彼女は将来ここを障害を持つ近隣の子供たちのための活動の場の一つとして提供したいという。

キウィの木影で

キウィの木陰にテーブルが用意されている。下の庭にはちび用に遊び場が設置されていた。彼女が子供が大好きなのがよく分かるすてきなおもてなし。ちびは早速レゴで遊び始める。

たくさん遊んだね

今日の前菜はイベリコ豚のチョリソとサルチチョン、チーズ。海老入りポテトサラダ、プチトマトとチーズ、干しブドウのサラダ、三種類のエンパナダ。まずはビールでつまみはじめる。Lのお父さんは今までエンパナダは、ぱさぱさしていておいしいと思わなかったそうだが、今日のはとてもおいしいと喜ばれる。よかった。白ワインはQuinta do Amealというポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデ

まずは前菜

イカ墨パエージャができて、Fが家族で作っているリベイロの赤ワインを開ける。彼は工業エンジニアだが、兄弟で両親のブドウ畑を引き継ぎ、自家製ワインを作っていたが、趣味が高じて今ではワイナリーで管理熟成を彼らの希望で専門家にやってもらい、より質の高いワインができてきているそうだ。これは濃厚で薫り高いワイン。

イカ墨パエリア

デザートはまず、すいか。そしてLatortaというビゴ名物のスイーツ。これは柔らかいスポンジベースの上にうっすらとクリームを掛けた焼き菓子。フワフワしていておいしいが、固くなったらコーヒーに浸して食べるとまた格別だそうだ。これはガリシアからマドリッド、バルセロナ、ビルバオ、アルヘシラスなどすでに全国に広がってきているそうだ。あまり甘くなく、日本でも流行りそうなので、早速知人のお菓子屋さんに連絡する。

Latorta

スペインではソブレメサと言って、こうした休日のランチの後テーブルについたまま皆で色んなことを談義する習慣がある。音楽の事、おいしいもの、夏の休暇のこと、私達がスペインに来た理由、セビリアやマラガの事など、おしゃべりはコーヒーや食後酒などを飲みながら19時頃まで続いた。

ちびのサボテンの大きさを測る2人

JとXはちびの誕生日にサボテンをプレゼントしてくれて、彼らの庭にちびのサボテンとして一緒に植えた。これからちびは時々自分のサボテンはどうしているかと聞くこと。できたら毎年見に来ることを約束していた。現在の大きさはXの指6本分。どのくらい大きくなるかな?

再会を約束していよいよ解散。とてもスペインらしい楽しい日曜日だった。


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