見出し画像

しあわせとは?       ドラマ 映画感想

スペインに住んでいても、最近では色んなサイトを通じて日本の映画やドラマが見られるようになって来たのは嬉しい。

是枝監督の「阿修羅のごとく」は、Netflix で観た。大好きな向田邦子原作。昔のドラマや映画も当時見たが、これは今までで一番昭和のあの時代に忠実に丁寧に作られ、配役が素晴らしく、それらの俳優達の演技が相乗効果を得て一際良くなっている感じがした。大きな画面で見ると、例えば開かない瓶は桃屋の江戸紫だったり、息子がマジソンバッグを持っていたり、衣服やアクセサリー、家庭雑貨、てるてる坊主等細部へのこだわりに沢山気づいては、懐かしくうれしく、また楽しいのだった。

阿修羅と言う、哀れ、憤り、悔恨を表す神のように、姉妹のそして家族の間に感情が飛び交い、せめぎ合う。争い、妬み、でも支え合う。家族の絆とは何とも不思議なものだろう。大事な事は言わずにいる両親に何でも相談して欲しいと言う娘。しかし秘密は常にある。是枝作品で一番好きな作品。

世界で一番貧しい大統領として知られる、ホセ ムヒカ氏の、「ぺぺの夢」と言う映画を観た。日本を訪れるシーンもあった。

「自由な時間を持つことは、どんな持ち物よりも価値がある。」

「幸せとは、幸福を感じられるために、どうありたいか。」

この人生観は共感できる。

物ではなく、友人や家族との時間を大切に、自分がどうありたいかを考えながら生きる。そしてそれが環境保護にも繋がる。大切なことだ。一体トランプ氏は何故パリ協定からアメリカを脱退させたのだろう?国民が納得するような理由の説明はあったのだろうか?

昨日は、「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」 を観た。1973年全米女子テニスのチャンピオン、ビリー・ジーン・キングが男子選手との待遇の格差に憤り、新たに協会を立ち上げた。そんな彼女に、男性至上主義者である55歳の元男子王者が対戦を提案。かくして、男対女の戦いが幕を開ける、と言うノンフィクション。

「ウーマン・リブ」と言う表現を久々に聞いた。しかしこの時代盛んだったこの女性の解放運動に対し、彼女がしようとしていたことは、もっと幅広い「フェミニズム」。新たに協会を作ってスポンサーを見つけて男女格差を是正する運動を行い、テニス界に女性ならではのファッションを導入し、今に至った功績は偉大だ。サッカー等は今でもこの問題があるのに、これは半世紀前の話。

家族や社会との闘い。自分にとっての自由と幸福とは何か?彼女の人生は、自身のLGBT問題も含め、ズバリ、ムヒカ氏の言う「自由と幸福」を求めるものだった。

阿修羅の4姉妹もまた、各々の幸せを求めて生きている。

元気と勇気がもらえる3つの作品。そして自分の足元も見ていかなくてはと、考えさせる作品と出会った。人生を足掻かなくては。

いいなと思ったら応援しよう!