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高円寺と、中国酒と、バビロン。
去年の秋頃だったと思う。
僕たちは仕事終わりに高円寺に集まった。一番歳下の、アイツが住んでいる場所に。アイツの仕事帰りが一番遅いから仕方がないといえば仕方がない。僕の住んでいる都心から離れた小田急線が通過する郊外に集まろうだなんて、最年長だとしても言えなかった。
元々、前にいたお店で一緒に働いていたメンバー。前に酒を飲んだ勢いに乗って「YouTubeを始めよう!」と息巻いて、この日を迎えた。
以前からYouTubeに興味はあった。でももういろんな人がたくさん参入してきているし、波に乗り遅れた感があるんじゃないかと気後れしながらも、やってみなきゃわからないと一歩を踏み出したのだった。
アイツの名前は「バビロン」という。入ってきたばかりの彼はかーーーなり暗く、みなが口を揃えて言っていたのは「1週間ももたないだろう」ということだった。確かに、見た目は老けているし、色で例えると黒とか灰色とかダーク色がよく似合うタイプではある。
でも、僕はすぐに辞めるとは思えなかった。僕自身の初めての後輩でもあったから、辞めないでほしいという願望もあったかもしれない。
それを差し引いても、歓迎会としてみなで飲みにいったときのワンシーンが鮮烈だった。
どんな話の流れだったかは覚えていない。でも、そのワンシーンでイメージを覆すのには十分だった。
それは
どんよりダークオーラを纏う彼が、ピンキーな下ネタに思いっきり反応したのである。
どんな話の流れだったかは覚えていない。ただ、ダーク一色の男が、勃つ様子を指で表現し始めたのである。人差し指をくいっと、デコピンをするように、「こう」と。ぴょこん。
「なんだコイツ。普段、猫かぶってやがるな!!!」
僕はそう思ったのだった。そして、コイツは化けの皮を剥がしてやらないともったいないと思った。全くダークなヤツなんかではなかったのだ。
ちなみにこの日だったと思う。バビロンというあだ名がついたのは。理由は、ただ単にその日彼が「Babylon」とプリントされたシャツを着ていたからだった。名前の由来なんて、そんなものだ。
それからバビロンとの付き合いは、かれこれ10年になる。紆余曲折を経て、一緒にYouTubeチャンネルを開設することになった。
もしあのときバビロンが下ネタに反応していなかったら
もしあのときバビロンがBabylonのシャツを着ていなかったら
たらればを考えるのは好きではないけど、運命のようなものを実感することって、悪い感じはしない。面白いなぁと思えるから。
僕たちは、飲食人のはしくれもはしくれ。当然撮影経験もなし。映像の編集経験もなし。イベントなどで人前で話した経験はあるけれど、得手不得手でいえば完全に後者だし、知識も教養もない。
いろいろな想いはある。中国酒に対して、中華料理に対して、中華業界に対して。でもそんな大それたことができるとは思っていないし、したくもない。ただただ、自分たちが楽しいと思えることをやっていきたいと思っている。
「チャンネル名どうしようか?」
「バビロンって言葉、いいんじゃないですか?」
「じゃあ、高円寺に集まって決めたから高円寺のバビロンにするべ」
由来なんて、そんなものだ。
「高円寺のバビロン」は中国酒や中華おつまみをテーマに楽しいことをしながら人と繋がっていくチャンネルです。ご興味ある方はぜひ!繋がっていきましょう◎
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