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薬は、私にとって敵だったんです。その思いを変えてくれたのは一匹の猫でした。(後編)
前編では「薬」がなぜ、私にとって敵だったのかということについて書きました。
まだ読んでいないようであればよかったらこちらからどうぞ😊
後半では、私の価値観を変えるきっかけをくれた猫の話と、どのように変わっていったのか、さっそく続けていきたいと思います。
2年前、保護猫だった2匹のこねこをお迎えしました。兄弟でとても仲が良く、出会ったころから元気いっぱいでした。
ちょうど今から1年前、うちに来てからほぼ1年が経った2020年5月ごろ、片方のねこのお腹の毛が少し薄く赤くなっていることに気がつきました。
すぐに病院に連れて行くと、少し菌が多くかゆみが出ているとのことだったので、菌に効く薬をつけてもらい、消毒液と薬をもらいました。
薬を飲むと、そのときは効いているようだけど効果が切れるとまたなめ出してしまいます。日に日に少しずつなめる範囲は広がっていきました。
私の考えは「薬」は敵!のままなので、出来るだけ薬を飲ませたくないですし、本人も嫌がる病院に行かせたくないという気持ちでいました。
それから月に1、2回通院をして、薬をもらって様子を見るを繰り返してちょうど1年が経ちます。
いまだに原因ははっきりせず、「アレルギー性皮膚炎」だということしかわからずじまいです。
かゆみのせいか、ねこも以前より少し神経質になってきて、接し方にすごく気を使うようになりました。
撫でるとすぐかゆがるので、触れ合いも減りました。
「早く完治させたい」
病院にも行ってるし、薬も飲んでるのになんで良くならないの…?
薬を飲んだって意味ない、やっぱり敵じゃん。
私の中で焦りや負の気持ちがどんどん大きくなっていきました。
自分のことはなんとか我慢できても、家族や大事な相手が苦しんでいる姿を間近で見ているのはどうにも苦しいですよね。
特に「かゆい」って、人間でも我慢するのは相当なストレスになります。
食事も皮膚症状に効くものに変えてみた。ストレスを気にして1人でゆっくり出来る時間も作った。猫用の保湿液があると知ると急いで買いに行ったりもした。
それでもダメでした。
耳、目の上、口周り、あごにまでかゆみが出て、ほぼ休むまもなく搔き続けている姿を見ていて、私ももう正直気が狂いそうな段階まできていました。
そんな中で先日、すがる思いでまた病院へ連れて行ったんです。今回初めて診てもらう先生でした。
私の頭の中は「完治させたい、早く薬や病院から離してあげたい」そんな気持ちでいっぱいでした。
「この症状は完治することはないのでしょうか?」
私の問いに先生は、
「そうですね、こういった皮膚症状は完治することは難しいので、上手く付き合っていくことが大事です。」
と言いました。
「上手く付き合っていく」
私の中でそんな考え方は全くなかったので、大きな衝撃がありました。
「完治」でいっぱいのところに「上手く付き合っていく」が入ってくる。反発するかと思いきや、それどころか中和されて急に軽くなりました。
さらに自分でも不思議なことに、あんなに頑なに敵だと思っていた薬が「もしかしたら味方かもしれない」と私の価値観までくるりとひっくり返ってしまったんです。
薬も上手く付き合えば味方になってくれる。
15年以上きつくきつく絡まった糸が、ほろほろと優しく解けていきました。
なんだか自然と涙も出てきてしまって、先生の前だったこともありすごく恥ずかしかったです。
まだ新しい薬を試すところなのでこれからもいろいろとあるとは思いますが、病院から帰ってきてから少しねこの雰囲気も柔らかくなった気がします。今までの私のトゲトゲした気持ちが伝わっていたのかもしれません。
薬も以前より上手く効いているようで、2日ほど経ちましたがかなり落ち着いてきています。
一生付き合っていかなければいけない症状であることには変わりないので、それに対しておかげと言うのはちょっと違うかもしれませんが、きっとこの子が私を変えてくれたんだと思います。
身を持って教えてくれたんじゃないかなと思っています。でも、だとしたらカラダ張りすぎですよね…😊💦
うちに来てくれてありがとう。改めて心からそういう思いでいっぱいです。症状とは上手く付き合い、この子とはいつまでも仲良くいたいです。
そして薬さん、
いままで敵だと思っていてごめんなさい。お願いです。お願いだから味方になってください。この子と私が症状と上手く付き合っていけるように、どうか味方になってください。
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