読んだ本(2024年4月後半)
ルポ海外出稼ぎ / NHKクローズアップ現代取材班
図書館の新資料の案内を見て面白そうだったのでピックアップ。以前クロ現関係の本は車中泊の本を読んだことがあるが、結構面白かったので期待して借りた。
ワーキングホリデービザで主にオセアニアに行く出稼ぎ日本人に焦点をあてるところからスタートしているのだが、そこを深堀りするのかと思いきや日本に出稼ぎにくる外国人(主にベトナム人)の話に転じてなんだか着地点が良くわからない感じになっている。
テレビの30分番組ならこの中身で見ごたえもでるのかもしれないが、文字にして読んだら物足りない。
デス・ゾーン / 河野啓
栗城さんについては生前から名前だけは知っていたが、自分が山に興味を持ったのが亡くなった後だったということもあり「下山家」とかそういう評を見るようになったのは比較的最近のことだ。
筆者は北海道のテレビ関係の仕事をしていて、エベレストに挑戦するようになる前から栗城さんを取材対象としていた人だが、時間が経つにつれて栗城さんから離れていった。(が、後から映像などの確認はしていて状況については把握していたようである。)
栗城さんは結局何者でどう生きたかったのか、という事を多面的に取材して描きだしている。
テレビ関係の人の書く本は分かりやすいが薄味なことが多いというのが自分の個人的な印象なのだが、この本は結構重厚で読み応えがあった。
夜のピクニック / 恩田陸
ブックオフで110円だったのでゲット。恩田陸といえば夜のピクニックがよく紹介されているので一作目として読んでみる。最近の自分としては珍しく購入してほとんど積まずに読み始めた。「蜜蜂と遠雷」もブックオフで購入済だが単行本でごつくて中々読む気にならないので積読のまま。
本作は本屋大賞受賞作。
これを読んで確信したのだが、多分自分は青春小説があまり好きではない。面白く読めるのだがなんとなく物足りないものを感じてしまう。青春時代の微妙な心理とか成長とかよりも、わかりやすいドラマとかを求めているような気がする。
純文学系もピンとこないのは多分同じ理由だろう。
最後の秘境東京藝大 / 二宮敦人
上記デスゾーンが結構重厚な内容だったので、軽い内容のものが読みたくなり選定。
著者の奥様も藝大生。藝大の天才的な人たちの様子を紹介していく本。
軽い本を予想して読み始めたのだが比較的真面目に藝大の様子を描いていてあまり気分転換にはならず。
おかしな人についても紹介はあるが、あくまで奇才な感じであって奇人変人的な話ではない。
ゼロから山女子始めてみました / ありを
自分が山に興味を持ち始めた時にYouTubeで活動されていたありちょんさん(当時)。イラスト方面のクリエイティブな活動に力を入れたいとのことで動画の活動はやめてその後の話は聞いていなかった。図書館の新刊本を見て気になって調べてみたらありをさん=ありちょんさんだった。
マンガ9に対して文章1くらいの比率で、マンガ部分は山を始めたころのエッセイ的な内容。文章部分はウェアやギア関係の説明が主で結構丁寧に書かれている。作者と同じようにこれから山を始めてみようかという人には良い一冊。山行時の日焼け止めやメイク関係など女性ならではの情報も書かれている。