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太陽が消えた夏①
娘はうつ病と診断された為に休職していた会社をクビになった。
復職してから3日目、夏の始めの頃だった。
真夜中泣きじゃくる娘の姿を思い出す度、未だに涙が溢れてくる。代われるものなら代わってやりたかった。
会社へは娘ではなく私が呼び出された。
自分達の不手際(実際はその不手際すらも把握出来ていないのだろうが)は棚にあげて、社長とその部下の皆様達から、娘ばかりを責める話を聞かされた。なぜ娘が休職することになったのか、この人達は誰も疑問に思わないらしい。
うつ病の娘を理解して欲しいとは思わない。自分が経験していないことを理解出来る人はそう居ないだろうから。
でも、理解しようという姿勢を持つことは出来るだろう。それすらも無い、余裕の無い、思いやりも無い、業務に終われいっぱいいっぱいになってる人達に何を言っても無駄だろう、黙って話を聞いて終わらせてもらった。
所詮どこの会社もそんなもんだし、社会全体がまだまだこういった病気に対して偏見を持っているのだから、仕方がないと言えばそうだ。
でも言わせていただくなら、私が籍をおいている会社は、どんなに業務が忙しかろうと誰かを置いてけぼりにしたりしない。個々を尊重し、一生懸命に仕事をする人間を見守り、みんなでサポートしていく、そういう会社だ。
何かが出来なかったからといって、その人間を責め立てるのではなく、一緒にクリアする方法を模索する、どうしても出来ない部分はカバーする、そういう人間の集まりだ。それはきっと障害や心に病を抱える人にでも、誰に対しても同じ。
心で仕事をしているから。
娘が退院して主治医からの許可が出たら、短い時間でバイトに来させようと思っている。社長にはまだ話してないけどね笑