
【後編】ブランディングとは何を構築する活動なのか?歴史的経緯から解説する(採用ブランディング講座:vol06)
ブランディングって
一体何を構築する活動なのか?
入り口部分から分からない人が多いです。
この問いに答えるため、
前回の記事でブランドの歴史から、
様々な概念があることを解説しました。
(前回まで)
①ブランド・イメージ
②ブランド・エクイティ(無形資産)
③ブランド・アイデンティティ(らしさ)
④ブランド・エクスペリエンス(体験)
(今回はここから)
⑤ブランド・パーパス(存在意義)
今回は「ブランド・パーパス」と
「キャンディデイト・エクスペリエンス」から、
解答をお話したいと思います。
1.ブランド・パーパスとは?
マーケティング3.0という概念をご存じですか?
これはマーケティングの父と言われた
フィリップ・コトラー氏が提唱した概念です。

上図のように「価値主導」の時代と定義しており
企業はミッションやビジョン、価値をもって
社会に貢献することを目指すようになりました。
この「精神的価値」こそが、
企業の「存在意義」を意味する所であり、
パーパスという概念なのです。
更に、深堀りしていきますね。
ブランドはこれまでの説明の通り
自社=「I」の概念を顧客へ届ける、
顧客にイメージして頂くことが
マーケティング2.0までの概念でした。
それが、マーケティング3.0の時代に入ると
自社=「「I」の概念だけでなく、
ステークホルダー全員=「We」の視点で
発想する考え方が支持されつつあります。
ESG経営やSDGs等、サスティナブルの視点
を現代の若者は重視する傾向が強くなって
来ていることをご存じでしょうか?
人事に携わる人は当たり前の話ですが、
昔から存在するビジネスモデルを脈々と
継続してきた中小企業の経営者の中では
馴染みがない概念かもしれません。
以下に概念を表した図を張っておきます。
参考にしてみてください。

ブランド・パーパスの概念の詳細は以下に
箇条書きで列挙しておきます。
事業:
社会・生活の実現に貢献する活動
広報・宣伝:
生活者に共感を与え、事業に巻き込む
人事:
志を示し、共感する社員を採用する
アウター(社外)のみならず
インナー(社内)コミュニケーションも重要
外部提携:
オープンイノベーションを図る
協業、M&Aの指針ともなる
CSR(社会的責任):
事業以外にできる社会貢献活動
R&D(研究開発):
従来の方法に囚われず、新しい視点が必要
2.キャンディデイト・エクスペリエンス
では次に、採用にはブランディングにおいても
型とか無いのか気になりませんか?
実は採用においてもブランディングがあり、
代表的なものとして、採用版CXとも言える
キャンディデイト・エクスペリエンス
という概念があるのでご紹介します。
これは日本語に直すと「応募者体験」であり
求職者が企業を認知してから、選考を終え、
内定承諾して入社するまでの期間における
企業側のコミュニケーションを指します。

上図のように、求職者が就職や転職を考えて
求人情報を調べる所からタッチポイントになる所
を書き出していき、各工程でどのような心境の変化
が発生していくのか?を設計します。
最終的にはカスタマージャーニーを作成して
求職者に自社の採用活動が良い体験になるように
デザインしていかないといけません。
詳しい設計方法は別の機会としますが、
まずは上図の中でタッチポイントが他にもないか?
どこに一番力を入れていかないといけないか?等
洗い出す所から始めてみてください。
3.ブランディングとは何をする活動なのか?
ここまでブランドの各概念をご説明してきました。
もう一度おさらいします。
【ブランドの各概念】
①ブランド・イメージ
②ブランド・エクイティ(無形資産)
③ブランド・アイデンティティ(らしさ)
④ブランド・エクスペリエンス(体験)
⑤ブランド・パーパス(存在意義)
【採用版のブランディング】
⑥キャンディデイト・エクスペリエンス
(応募者体験)
繰り返しになりますが、
どのブランドの概念があっているかとか
パーパスの概念が最新だから過去の概念は
理解しなくて良いという訳ではありません。
では、最後に
採用ブランディングとは
何を構築する活動なのか?
その答えは、御社のブランドに眠る
「宝」・「成功の法則」を探すことです。
・ブランドコンセプト
・ブランド・コア
と呼ばれているものを構築するのです。
これまでご説明した
「ブランド・〇〇」に当てはまる全てを
一言で表すと「キャッチコピー」となり、
物語にすると「ストーリーテリング」となる…
これまで解説してきた、自社=「I」の概念、
エクイティ(無形資産)で認知を高めていき、
プレファレンスを高めていきます。
アイデンティティ(らしさ)でロゴやデザイン等
世界観を決めていきます。
エクスペリエンス(体験)で求職者の体験を設計、
これらをイメージ(広報・PR活動)で伝えます。
そして、今回ご説明した、
ステークホルダー全員=「We」の概念、
パーパスで企業の存在意義=「志」と
求職者のメリット(約束)=「ベネフィット」
これを構築していくのです。
ブランドとは、何を構築する活動なのか?
大枠について解説をさせていただきました。
拙い説明で分かり難いがあったかもしれませんが
少しでも理解が深まったなら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次回からは、実際にブランディングを
進めていく上での手順やワークシート等
公開可能な情報はできる限りオープンにして
理解を深めて頂けたらと思います。
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