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オンラインでも移行率80%越えの説明会設計を徹底解説

こんにちは、採用支援サービス Saimaneを提供している、
アローリンクの蘓(いける)です。

本日はオンライン会社説明会についてお話させていただきます。

皆さんはこんな悩みを抱えていませんか?

  • オンラインでの説明会、何を伝えればいいのかわからない

  • 学生に会社の魅力をしっかり伝えられているか不安

  • リアルと違って反応が見えず、手応えを感じにくい

実は、私もかつて同じ壁にぶつかっていました。

コロナ禍以降、私たちもリアル開催をやめ、オンライン説明会に切り替えました。しかし、最初は何をどう伝えればいいのか手探り状態で、学生の反応も薄く、思うような成果が出せませんでした。

「オンラインでは会社の雰囲気を伝えられないのでは?」
「画面越しで学生の集中力を維持できるのか?」

そんな葛藤の中、あるとき大きな気づきを得ました。

それは、「オンラインだからこそ、伝える内容と設計を工夫すべき」ということです。

今日は、その気づきをもとに、オンライン説明会で何を伝え、どう設計すれば学生の心をつかめるのか、成功事例を交えてお伝えしたいと思います。


1.オンライン説明会の目的を再定義する

まず、オンラインでの説明会を設計する上で大切なのは、開催の目的を明確にすることです。

多くの企業が「会社のことを理解してもらう」ことを目的としていますが、オンラインではその考えを少し変える必要があります。

オンライン環境では、リアルと違って雰囲気を肌で感じてもらうことが難しく、注意力や集中力も散漫になりがちです。

そこで「理解してもらう」よりも「共感してもらう」ことに重きを置くことが重要です。

2.オンライン説明会で準備すべきこと

オンライン説明会を実施する上で準備しておきたい項目ですが、

💡 準備しておきたい項目
■開催時間を設定する
■必要備品を準備する
■場所の確保をする
■運営人数を決定する
■参加可能上限人数を決定する

■開催時間を設定する
オンラインで説明会を行う上で、どれくらいの長さで実施していくのがいいのか?ですが、結論からお伝えすると1-2時間前後です。最大でも3時間で組んでいただくのがおすすめです。

とはいえ巻き込み方や発信内容によっては2時間が長いと感じさせてしまうこともあるので、その辺りは正直人事の力量次第な部分ではあります。

■必要備品を確保する

優先度:★★☆
▶︎撮影用ライト
▶︎PC台
▶︎外付けカメラ
ご利用のPCによる環境によって変動します。カメラ内臓のPCであれば、ひとまず問題はないかと思います。ただ、そのまま机に置いて座ってプレゼンだと下から煽る形で映ってしまうので、PC台を用意し、PC自体を目線の高さまであげて実施するのがオススメです。

優先度:★☆☆
▶︎集音マイク
こちらも上記と同様です。閉鎖空間で雑音や騒音のない会議室で実施できる場合はそこまで気を使わなくても問題ないでしょう。中途半端に安いマイクを導入してしまうと、逆に音割れノイズを発生させる原因になってしまうので、その辺りは予算との兼ね合いになってくるかと思います。

■場所の確保をする
隔離されたスペース
での実施をお勧めします。プレゼンの音声以外の音が入ってしまうと非常に煩わしいと感じてしまいます。

なので、会社プレゼンのようなしっかりと訴求をしたい場合は極力隔離されたスペースで説明会を実施することをお勧めします。

■運営人数を決定する
時間、備品、場所の確保が出来たら、実際の運営人数も決定していきましょう。会によってばらつきが出ても構いませんが、極力運営最低人数を設定して実施できるよう準備していきましょう。

オススメなのは2人を運営最低人数として準備することです。
プレゼンターとトラブルやチャット対応、運営サポートで一人いると安心して進行できます。

■参加可能上限人数を決定する
運営で用意できる人数が事前に決定できれば、その人数で対応できる参加学生人数も見立てが立てられます。

オンラインでの実施なので、最大でも30名を想定して準備いただくとスムーズです。ちなみに最低開催人数は3人以上が望ましいです。
2人以下の場合は個別対応で1:1でお話いただく方が学生さんにとってもよりプラスかと思われます。

開催人数と運営人数に関しては、それぞれの選考フローや母集団の作り方によって差が生じてくるかと思いますので、自社のフローに置き換えて設定していただければと思います。

3.内容を考える上で抑えておきたい基本ポイント

さて、前提の条件が準備できたら次に進めたいのはようやく内容の設計です。ですが、その前に抑えておきたいポイントがあります。

不人気業界・不人気企業に陥りがちなのですが、”事業を理解してもらう” ”ネガティブの払拭”に力を入れがちです。
もちろん大切なポイントではありますが、そういう不人気業界であればあるほどそこじゃない部分をしっかり伝えることが大切になります。理解してもらおうとする前に、理解浸透しやすい土台を作る必要があります。
今回お伝えする流れはそういった不人気業界にはおすすめです。

💡 抑えておきたいポイント
  ・”MVV”と”仕事内容”をつなげる
  ・”会社”と”自分の未来”を紐付ける
  ・制度の”背景”を伝える
  ・”想い”を伝える

上記4点を抑えながら内容の設計に入っていきましょう。
(こちらの記事で詳細書いてます)

4.説明会の構成素材11を集める

さて、目的を整理し、開催時間を決め、大枠のポイントを抑えました。
ここからは本格的に説明会の構成に移っていきます。
説明会の構成を練る前に、何が伝えられそうなのか素材を整理しておくとこの後の設計が非常にスムーズになります。

いきなりパワーポイントで制作、ではなくまずはテキストで構わないので自社の打ち出せそうな素材を集めていきましょう。
その際に集めたい項目は以下です。
印刷して整理できるようにシートをこちらに添付いたしますね。
こちらからどうぞ

1.伝えたいメッセージについて
-1.会社の展開を踏まえた上で新卒に求めること
-2.あなた(学生)とどんな会社を創りたいか
-3.選考フローへのこだわりポイント
-4.代表の想い、採用の想い、事業の想い

2.組織風土について
-1.会社を一言で表すなら?
-2.何を大切にしている会社なのか
-3.自社といえば○○という想起キーワードを設定

3.人的資産について
-1.平均年齢/男女比
-2.離職率
-3.幹部層年齢や経歴、女性比率など
-4.打ち出したい部分を中心に
(ex:若手幹部、女性比率高め、など)

4.人事施策について
-1.教育制度
 →なぜ人に投資をするのか
 →どのような教育制度があるのか
-2.評価制度
 →どのような工夫があるのか
 →なぜその評価制度になったのか
-3.登用制度
 →ステップアップの特徴
 (ex:年功序列、実力主義など)

5.報酬・待遇・福利厚生について
-1.給与
 →特筆すべき差別化はあるのか
-2.勤務地/勤務時間
 →特筆すべき差別化があるのか
-3.残業の有無
 →減らすための工夫や対策はあるか
-4.独自性の強い福利厚生
 →それができた背景やストーリー
-5.基本的な福利厚生
 →とにかく書けるだけ書き出す

6.ステップアップ/キャリアプランについて
-1.ロールモデルとなるキャリアプラン
-2.ジョブチェンジやライフイベントに応じた施策
-3.ステップアップのスピード
 →どういう人財がステップアップしていくか

7.経営基盤について
-1.安定性/成長性
 →数値的事実を元に
-2.ブランド力や認知度
 →数値的/客観的事実を元に 

8.自社事業/商品について
-1.顕在化している強み
-2.顕在化している弱み
 →強みに置き換えるとどう表現ができるか
-3.業界内のポジション
 →売り上げやシェア、成長率など
-4.差別化ポイント
 →自社事業や商品が顧客から選ばれる理由は何か
-5.事業の社会的意義は何か
 →誰のどんな課題を解決しているのか
-6.これからの事業展開
 →想定されている未来、目指している未来

9.自社の業務や職務について
-1.求められる能力
 →業務での必要性は何か
 →なぜそれを求めるのか
-2.得られるスキル
 →経験をもとに何が得られるのか
-3.感じられるやりがい
 →それが得られるストーリー
-4.想定される大変さやぶつかる壁
 →どう解消しているのか
 →それによって得られるものは何か

10.業界/世の中について
-1.過去5年から現在までで変化してきたことは何か
-2.これから先起こりうる業界変化は何か
-3.業界に影響がある世の中の変化は何か
-4.それによって求められる能力は何か

11.自社について
-1.MVV
 →出来上がった背景やストーリー
-2.目指している未来
 →ビジョンとどうリンクしているのか
-3.創業ストーリー
 →なぜ立ち上げたのか
 →どんな苦労や苦難があったのか

もちろん上記の項目全てでなくても構いません。

まずは整理し何が伝えられそうか、どういう素材があるのかを理解することが重要です。

5.整理した素材を構成していく

説明会の流れに仕上げていきます。先ほど整理していただいた11項目を逆から順に説明会を設計していただくと非常に綺麗な説明会を構築することができます。それだけでも十分伝わる内容になりますが、今回はもう少しテンプレートに落としていきます。

A.ビジョン/過去/現在/未来
11-1.MVV
 →出来上がった背景やストーリー
11-2.目指している未来
 →ビジョンとどうリンクしているのか
11-3.創業ストーリー
 →なぜ立ち上げたのか
 →どんな苦労や苦難があったのか

B.世の中の流れ(一般論)
10-1.過去5年から現在までで変化してきたことは何か
10-2.これから先起こりうる業界変化は何か
10-3.業界に影響がある世の中の変化は何か
9-1.求められる能力
 →業務での必要性は何か
 →なぜそれを求めるのか
・・・自社として求める能力と世の中の変化を踏まえて
   求められるであろう能力をリンクさせる。


エビデンスとなる事実やメディアに取り上げられた内容など
客観的要素を含んで整理するとより納得度が増す。
※理想はこの後の展開の伏線となる内容を入れられるとGOOD
>>「世の中の変化で○○力が求められる→だから自社ではこういう事業をやっていて○○力が得られる」をリンクさせる。

C.どのようなスキル/経験が得られるのか
9-2.得られるスキル
 →経験をもとに何が得られるのか
>>>
(このタイミングでキャリアプランに触れてもいいかも)
6-1.ロールモデルとなるキャリアプラン
6-2.ジョブチェンジやライフイベントに応じた施策
6-3.ステップアップのスピード
 →どういう人財がステップアップしていくか
>>>
9-3.感じられるやりがい
 →それが得られるストーリー
9-4.想定される大変さやぶつかる壁
 →どう解消しているのか
 →それによって得られるものは何か

D.事業内容-1(自己メリット)
※どのような手段で、どのような事業内容、職務で【C】が叶うのか
8-1.顕在化している強み
8-2.顕在化している弱み
 →強みに置き換えるとどう表現ができるか

E.事業内容-2(競争優位性)
8-3.業界内のポジション
 →売り上げやシェア、成長率など
8-4.差別化ポイント
 →自社事業や商品が顧客から選ばれる理由は何か
8-5.事業の社会的意義は何か
 →誰のどんな課題を解決しているのか

F.事業内容-3(会社の未来)
8-6.これからの事業展開
 →想定されている未来、目指している未来
7-1.安定性/成長性
 →数値的事実を元に
7-2.ブランド力や認知度
 →数値的/客観的事実を元に 

G.キャリアパス
6.ステップアップ/キャリアプランについて
-1.ロールモデルとなるキャリアプラン
-2.ジョブチェンジやライフイベントに応じた施策
-3.ステップアップのスピード
 →どういう人財がステップアップしていくか

※社員を何名かピックアップしさまざまなキャリアがあることを見せられるとGOOD

H.福利厚生/教育制度
5-1.給与
 →特筆すべき差別化があるのか
5-2.勤務地/勤務時間
 →特筆すべき差別化があるのか
5-3.残業の有無
 →減らすための工夫や対策はあるか
5-4.独自性の強い福利厚生
 →それができた背景やストーリー
5-5.基本的な福利厚生
 →とにかく書けるだけ書き出す
4-1.教育制度
 →なぜ人に投資をするのか
 →どのような教育制度があるのか
4-2.評価制度
 →どのような工夫があるのか
 →なぜその評価制度になったのか
4-3.登用制度
 →ステップアップの特徴
 (ex:年功序列、実力主義など)

※企業により内容を抜粋
重要なことは「事実ではなく制度の背景を語ること」です。

I.企業風土
2-1.自社文化を言語化して伝える
(ex:会社を一言で表すなら?)
2-2.何を大切にしている会社なのか
2-3.自社といえば○○という想起キーワードを設定

J.クロージング
11-1.MVV
 →出来上がった背景やストーリー
11-2.目指している未来
 →ビジョンとどうリンクしているのか
1-1.会社の展開を踏まえた上で新卒に求めること
1-2.あなた(学生)とどんな会社を創りたいか
1-3.選考フローへのこだわりポイント
1-4.代表の想い、採用への想い、事業への想い

再度会社のMVVに触れ、”だからこういうことをしているのか””だからこういう考えなのか”という理解度・納得度を高めていく。
最後に学生へのメッセージを添えて、”あなたと働きたい”という想いをしっかり伝えていく。

以上、A~Jを④で整理した素材を並び替えて説明会の構成を仕上げていきます。とはいえ、このままだと話の展開や流れやボリュームが整っていないかと思いますので、その辺りはそれぞれ伝えたいことが伝わるように削ぎ落としていくことがオススメです。

ストーリー設計についてはこちらの記事もおすすめです。

6.仕上げる上での注意点

最後に、資料のデザインやオンラインならではの見せ方を工夫しましょう。

  • 視覚的なデザイン: シンプルで見やすく、ブランドイメージに合ったデザイン

  • インタラクティブ性: 質問タイムやチャット機能を活用して双方向のコミュニケーション

  • 定期的なアップデート: 半年~1年ごとに内容を見直し、最新情報を反映

こちらはまた別の記事で特集しますね!

最後に

会社説明会は学生さんと企業とをリアルに繋げる第一歩目です。
オンラインではなかなか伝わりにくい部分ももちろんあります。ですが、だからと言って伝える、伝わることを諦めないでください

実際に上記の方法と運営をブラッシュアップしていけば、会社説明会の満足度95%越え(参加人数159名)移行率も各回80%前後の数字を出すことができています。

この辺りは内容ももちろんですが、当日どう回すかが鍵になるかと思います。また違う記事でもまとめてみます。

最後までお付き合いいただきありがとうございます。
皆さんの会社説明会の設計に少しでも役立てられればと思います。
もしよければ、この記事を広めていただければたくさんの企業でオンラインでも伝わる会社説明会が実施できるようになるかと思います。

株式会社アローリンク 蘓伸太郎


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