採用×マーケティング 合同説明会編①
合同説明会での葛藤
こんにちは、採用支援サービス Saimaneを提供している、アローリンクの蘓(いける)です。前回は右脳型の会社説明会のストーリー構成についてお話させていただきました。
本日は合同説明会についてお話させていただきます。
皆さんはこんな悩みを抱えていませんか?
大きな費用をかけて合説に参加したのに、
大手企業にばかり人が集まり、まったく座ってくれない
ブースに立ち寄ってもらえても、その後の選考に進んでくれない...
実は、私もかつて同じ壁にぶつかっていました。
採用活動1年目、初めて合同説明会に参加したときのことです。
媒体社の担当の言われるがまま、大きな予算を投じて合同説明会に出展しました。どれだけの学生がうちのブースに訪れてくれるのかワクワクしながら当日を迎えましたが結果、まったく人は集まらず、準備した資料も無意味になってしまいました。
少ないながらも着座してくれた学生たちの反応は薄く、その場で興味を示してくれる人はほとんどいませんでした。
どうして集まらないんだろう
どうして話を聞いてくれないんだろう?
そんな葛藤の中、ある休日。
自分がウィンドウショッピングをしているときに1つの大きな気づきがありました。
それは、「顧客は最初から商品を買う気で歩いているわけではない」ということです。
つまり、学生も同じで「最初から自社に興味を持って合同説明会に参加してるわけではない」ということ。
採用にもマーケティングの思考を取り入れる必要があるのだと。
今日は、私が見つけたその「マーケティング思考」と、それを実際、採用にどう活用したのかをお伝えしたいと思います。
これを読めば、あなたも学生の心をつかむ合同説明会を実現できるはずです。
1. 合同説明会は「認知」と割り切る
まず、合同説明会を成功させるための最大のポイント。それは、合同説明会が採用マーケティングにおける「認知」フェーズであるということを理解することです。
なぜ「認知」フェーズが重要なのか?
採用×マーケティングでは、以下のようなフェーズがあります。
合同説明会は、この最初の「認知」フェーズに位置します。
この段階では、学生たちはあなたの会社を「初めて知る」状況にあります。そのため、いきなり会社概要や業務内容、売上などの詳細情報を伝えても、彼らの心には響きません。
前提として、合同説明会に参加している学生のほとんどは、何もわからないまま会場を歩いています。もちろん、目的を持って名前を知っている企業のブースに向かう場合もありますが、多くの場合、この会場で初めて目にする企業のブースを見て、探しているのです。
決してあなたの会社を探しているわけではありません。
ただなんとなく歩いているのです。
だからこそ「この会社、気になる」という直感的な興味が大切になります。
2. 感情リクルーティングで学生の心を動かす
そこで登場するのが、私の記事で何度も登場する「感情リクルーティング」という手法です。これは、データや数字ではなく、ストーリーや体験を通じて学生の心を動かすアプローチです。
足を止めてもらわないと始まらない
まずはブースそのものを見直してみましょう。
学生の頭に「はてな?」を生みましょう!はてなを生み出すためには、視覚的なインパクトや独自性が重要です。
私が過去に支援したベンチャー企業では、
ブース全体を謎解きゲームのように演出しました。
- 「この暗号を解けたら、未来が見える」と書かれたブース。
- ブース内にパズルやクイズを配置し、足を止める工夫。
- サバイバル選考という誰も体感したことのない選考会。
このような演出により、学生たちは「これは一体何だろう?」と興味を持ち、足を止めてくれます。
ここで学生の頭の中に「はてな」を生み出し認知させることができたのです。
足を止めてくれると話しすることが出来ます。
「どんな会社を探してるのですか?」
「もしよければ今から説明会があるので参加してみませんか?」
まずはブースに足を止めてもらうこと、着座してもらうこと。
ここでは、「認知フェーズ」と割り切ることが大切なのです
有益な情報で「はてな」を
こうして着座してもらった学生に説明会をおこないます。
皆さん合同説明会のプレゼンテーションはどのような内容にされていますか?
この合同説明会での説明会にもコツがあります。
合同説明会は時間が限られています。
長くて10分から15分。
30分も話しできないですよね。
たった15分で会社の魅力を伝えきることができるでしょうか?
答えはNOです。
では、この15分間をどのような説明会にすべきでしょう?
一般的な説明会と、我々の提唱する感情リクルーティング型の説明会を比較してみましょう。
大きく異なっているのは会社の詳細より、学生にとって有益な情報を提供している点です。
例えば、以下のような内容を話します
「他社と差をつけるための3つのポイント」
「自分に合った企業を見つける自己分析の方法」
「これからの時代に求められるスキルとは?」
でも、なぜせっかく着座してくれた学生に対し「会社説明をせずに就活の話しをする」のか?
そう思いましたか?
その「なぜ?」と思った感覚をあえて作っているのです。
通常であれば、企業は自社の説明をする時間です。
しかし、あえて学生にとって有益な情報を提供することで、彼らの頭の中に「なぜこの会社は自社の話ではなく、私たちのための話をしてくれるのだろう?」という「はてな」を生み出します。
この「はてな」が、学生たちの興味をさらに引き出し、「この人たちの話をもっと聞きたい!」という感情を芽生えさせます。
そして最後に、会社のビジョンや大切にしている価値観などのインパクトのある話しを伝えます。
"短時間" で "不完全" な情報を提供します。
そこで「申し訳ないです!本日は会社説明の時間が足りなくなってしまいました。この続きは次回の自社の会社説明会で詳しくお話しします。ぜひお越しください!」と伝え説明を終えます。
こうすることで、学生たちは「もっと知りたい!」という気持ちを醸成し、次の自社の会社説明会への参加率が大幅にアップします。
ポイントは
①「この人の話しは有益なのでもっと聞きたい」と思ってもらうこと。
②「お腹いっぱいに情報を詰め込まず、あえて余白を残す」ことです。
すべてを伝えてしまうと、学生たちは満足してしまい、次のステップへ進む動機が薄れてしまいます。
次にさらに詳しく自社説明会の参加率を上げるための工夫の話しをしていきたいと思います!
が、、
いったん今日はここまでです。
お腹いっぱいに情報を詰め込まず、あえて余白を残しますね(笑)
今日のまとめ
もし、あなたの会社が学生の憧れの企業や大手企業でない限り、合同説明会はあくまで「認知」の場として割り切ることが大切です。
学生の頭の中に「はてな」を生み出し、足を止めてもらい、興味を持ってもらうことを考えましょう。
15分の説明であなたの会社に入りたいと思う学生はほとんどいません。
だからこそ、何度も接点を持つ仕組みを作り、少しずつ興味を持ってもらい、この会社を好きになってもらうことが重要です。
まず合説の限られた時間では学生に有益な情報を提供し「なぜこの会社は私たちのためにこんな話をしてくれるのだろう?」という「はてな」を生み出し彼らの興味を引き出します。
さらに、「またゆっくり話しましょう」「次回の説明会で詳しくお話ししますね」といった余白を作り、学生たちは自ら次の機会を作りましょう。
もし、「具体的にどう進めればいいの?」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。採用マーケティングの視点から、あなたの採用活動を全力でサポートさせていただきます。
次回は、合同説明会における歩留まり向上について深掘りしていきます。お楽しみに!
株式会社アローリンク 蘓伸太郎
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