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いきなり課題解決しようとするからコケる

こんにちは。今週も更新がんばります!

前回のnoteの中で、上司と部下の目的コミュニケーションの話をしました。その中で、よくある一例のコミュニケーション例として、上司から部下に「業務の課題を挙げてみて」ってありますよね?という話をしたのですが、これをもうちょっと、目的コミュニケーションのテクニックとして分解してみようと思います。

いま支援をしている社外人事のPJの中では、採用だけの領域もあれば、採用を含めて教育や人事制度、組織開発など人事全般に及ぶものなど領域は様々ですが、「PMとしてどんな動きをしてるんだっけ?」という自身の頭の整理の意味で、私の場合は以下のような手順でやってるかな〜というのを7つのフェーズに分けて書いてみました。


【フェーズ1】ゴール(ありたい形/理想=目的地)を描きメンバーと共有する

これは前回の通りです。マネジメントする上で、上司やPMなどメンバーをリードする役割の人の最も大切なフェーズ。また、コンセプチュアルスキル、ロジカルシンキング、俯瞰的な視点などのスキルを最も求められる最上流のお絵描きフェーズです。

この理想が実現できたらワクワクするか?面白いか?良い状態になるか?というイメージをメンバーと共有できるかが大切だと思います。

【フェーズ2】ゴールに対する現状とのギャップ(課題)を発見・抽出する

目的地が決まれば、いまの立ち位置を正しく認識するためのフェーズ。ギャップを知ることは、逆に言うと、高い山を見せてしまうことにもなりますが、このチームでその山を一緒に登って最高の景色を見よう!とモチベートすることも意識しています。ギャップ=標高差は、それだけ伸び代があるってことです。(私は、登山が趣味ではありませんが例え話として)

【フェーズ3】重要度/緊急度のマトリクスの観点から取り組む課題を決め、優先順位をつける

あるあるの失敗は目先短期の「緊急度」のみで観点で検討してしまうエラーです。実は、中長期視点で見ると「重要度が高いけれど、緊急度は低い」という領域にこそ、即効性はないですが重要なものが多いんですよね。

利害関係者が多く、重たく面倒に感じるものも多いので、どうしても取り組むのが気持ち的にも億劫になりやすいので放置されやすいのですが、この領域にこそ、これまで長年放置され続けた課題の真因があったりするものです。短期の対処療法だけでは積み上げもなく、疲弊しますので、その領域を見逃さないように気をつけます。

【フェーズ4】取り組む課題を決めて、取捨選択をする

メンバーの人的リソースは有限です。上記で挙げた課題を全て対応できれば理想ですが、目的地に到達する上で何から着手をして、逆に何をやらないのかを決めます。

【フェーズ5】取り組む課題に対する打ち手・施策を検討し、実行内容を決める

ここで初めて、課題に対する打ち手・施策を検討します。これまでは、理想の状態の共有とギャップの課題発見・抽出だけに時間をかけます。課題の特定を間違ってしまうと、それに釣られて打ち手も間違えます。不幸でしかありませんよね。

【フェーズ6】取り組みの時間軸と担当者を決め、WBSを策定する

短期と中長期両面で取り組むものを”点”ではなく、”線”でつなぐことを意識します。また、上流で検討したものが各担当レベルのタスクに落とし込まれた場合でも、自分の役割が何につながっているのかを意識できるように、これまでのフェーズで検討したものを可視化。各自が短期で取り組んでいくことが、誰の何の役割につながっているのか、チームや組織の中長期の積み上げにつながっていくのか、イメージを共有します。

*WBS:Work Breakdown Structure(作業分解構成図)

【フェーズ7】WBSに基づいて定点観測のMTGを行い、KPTを回してチューニングする

上記フェーズまでで設計は終わりですので、あとは運用です。走り始めても、途中で方向性が見直されたり、壁にぶつかったりなどの環境変化もありますので、しっかりと定点観測を行って認識合わせを再度行なったり、必要に応じてチューニング・軌道修正したりします

*KPT:「Keep」「Problem」「Try」の3つの定期チェックによる、仕事やプロジェクトの改善を促すフレームワーク


こんな感じです。

社外からマネジメント支援をしていても、もったいないな〜と感じるのは、いきなり上記のフェーズ5からスタートさせ、各担当に課題を検討させ、提案までさせることです。(自身が拡散タイプの人の場合は、それが当たり前だと思って、みんなも当たり前にできるだろうとか思っちゃうから特に気をつけた方が良い)

そうすると、ゴールの提示がないのでアイデアがとっ散らかってベクトルが分散しやすく、何度もアイデアの修正をしないといけなくなって無駄な時間的コストがかかると共に、ますますメンバーの業務領域がタコツボ化し、見える業務範囲が狭くなり、メンバーやチーム間の狭間の情報がイメージできなくなるんですよね。(役割分業は効率を上げるための手段で、仕事は全部つながっているのに)

組織における「課題発見」と「課題特定」と「課題解決」は違います。課題発見できたとしても、特定と解決の部分は、その人のインプットレベルや理解度合いによって差が出るものです。解決策までを一気に考えるのは、荷が重すぎます。

ですので、まずは焦らず丁寧に課題の掘り下げだけをメンバーと共有する。そのプロセスのなかで、メンバーがどれくらい理解しているか、視点がズレてないか?なども見えてくるはずです。(前回のnoteの通り、いきなり提案までの工数を割かせるから出戻りが増えてモチベが下がる)

また、メンバー同士が連携しない、受け身だというのは、こういったチームマネジメントのやり方にも課題がある気がしてまして、メンバーが狭間のボールを拾うイメージが持てていないことが多いと感じています。それを仕組みの問題として捉えることなく、個人の意識の問題だけに押し付けていては、いつになっても進歩はありません。

メンバー間の情報をつなぎ、チームの連携を促して頑張りのベクトルを合わせる。仕組みで解決するのがマネジメントの役割だと思います。偉そうに書いてますが、私自身もこれまで失敗だらけでした。私のマネジメントプロセスが全てではありませんが、より良いチームマネジメントの参考になりましたら幸いです。

それでは、今日はこの辺で!

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