『読書を仕事につなげる技術』レビュー
「もっと早く読んでおけばよかった。」
そう思える本との出会いは、1年のうちに1, 2冊ほどあります。
今回紹介する『読書を仕事につなげる技術』もそんな一冊。
ビジネス書マンダラ
本書はいわゆる、本の紹介と本の読み方について書かれた本です。
個人的に一番参考になったのが「本の紹介」部分。
ふつうの本ならば、オススメの本をただ紹介してそれで終わり。
しかし本書では、ビジネス書マンダラという「見取り図」と、いつまでに読むべきなのかといった大まかな「ロードマップ」を記してくれています。
ビジネス書マンダラはアマゾンの「サンプルを読む」でも見ることができます。(すこし文字が読みづらいですが)
マンダラには3段階存在し、「中心」、「基本」、「応用」。
「ロードマップ」としては、以下のように記されています。
中心:20代
基本:30代
応用:40代(自分の専門分野だけでOK)
マンダラでは全部で8つの専門分野が紹介されており、個人的には「経営戦略」と「マーケティング」の項目が気になりました。
そもそも20代で読むべき「中心」に位置する『MBA経営戦略』と『グロービスMBAマーケティング』を読んでいないので、こちらから取り組もうと思います。
本の読み方
本書は、ビジネス書マンダラだけでもかなり価値があります。
しかし、「本の読み方」についても参考になる点がおおく含まれていました。
たとえば以下のような点です。
・5冊読むよりも、1冊を5回読む
・ビジネス書を読んでも読書ノートをつくらずに実践
・教養書は3回読み、読書ノートをとる
・忘れてもよい仕組み、デジタルでの保管庫をつくる
・読書を株式投資と考える=ベストセラーは読まない
とくに読むだけではなく抽象化して、行動にまで落とし込むことの大切さを学びました。
古典・原典で著者が展開している思考のプロセスを追体験することが肝要。
それにより、「経営の考え方」「ビジネスを考えるツボ」を皮膚感覚で学び取っていくことができます。
著者
著者は電通からBCG(ボストンコンサルティンググループ)を経て、現在は独立研究者・著作家として活躍されている山口周さん。
慶應義塾大学の大学院で「美術史」を学んだというバックグラウンドをもっています。
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』で有名になった人物です。
まとめ
『読書を仕事につなげる技術』は、ビジネス書の読み方に悩む方や、効果的な読書術を身につけたい方にとって価値のある一冊。
読書をつうじて実践的な知識を得ることができます。
また、ビジネスの視点や深い理解も身につけることも可能。
まさに、ビジネスパーソンが「アイデアのもとになる知識を増やし」、そこから「示唆を得て」、「行動へうつす」ための読書術が書かれています。
著者の「知的態度」に刺激をうけ、意欲を掻き立てられる一冊です。