ウェストン・A. プライス『食生活と身体の退化』と服部文祥『You are what you read.あなたは読んだものに他ならない』
ウェストン・A. プライス『食生活と身体の退化』を読んだことがあるでしょうか。
近代化されていない土地に暮らす民族が文明と出会ったとき、その前後で彼らの身体がどう変わり、その精神がどう変わるかを、民族の食べ物と心身の関係を多くの写真とともに示した本です。
要約すると、その土地の素朴な伝統食と習慣から生まれた美しい身体と精神を育んでいた先住民たちが、欧米人がもたらした近代食を食べることで変化する。発達した顎は小さくなり、きれいだった歯は虫歯だらけ、歯並びも悪くなる。やがて、犯罪者が出てきて刑務所ができる。食事の劣化によって人の心まで変わってしまうことを明らかにしました。
食べるものが、こんなにも人に影響を与えるのかと恐怖を感じたほどです。
加えて、服部文祥の文章を読んだ時にハッとさせられました。
スーパーに行って買い物する時は、やはり「安いもの」を手に取ってしまっている…。
国産、外国産関係なく、安い方を購入している。
なぜ安いのか。それは安く栽培、飼育されているから。だから、低価格。
とすると、安い食材を買って食べている自分も、安い飼料を食べて栽培・飼育された作物や家畜と同じように、安い人間になるのではないか。
もちろん、高いものを買って食べればいいわけでないし、安い=悪というわけではない。
思考停止で、安いもの選んで買って、食べてしまうことが問題だと思う。
2冊の本を読んでみて、
食べることが体重や血圧のような身体面以外にも
精神面にまで影響を与えているとは思わなかった。
食べるものが自分自身を作っているのだという意識を今以上にもっていけたらと思う。
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