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【よろこびの歌】宮下奈都
note大学軽音部✖️読書部で
音楽✖️読書コンテストが5月いっぱい企画されています。
そこで今日は、音楽が溢れているこの小説を紹介します。
「よろこびの歌」宮下奈都
著名なヴァイオリニストの娘で、声楽を志す御木元玲は、音大附属高校の受験に失敗、新設女子高の普通科に進む。
挫折感から同級生との交わりを拒み、母親へのコンプレックスからも抜け出せない玲。しかし、校内合唱コンクールを機に、頑なだった玲の心に変化が生まれる――。
*️⃣入学後、ずっと心を閉ざしている玲。
友達も作らず、いつも一人で行動。
そんな玲を見つめるクラスメート5人が、
順に語り手になる連作短編集です。
*️⃣短編の各タイトルはハイロウズの曲名が使われています。
「よろこびの歌」「カレーうどん」「No.1」
「サンダーロード」 「バームクーヘン」
「夏なんだな」「千年メダル」
歌詞が引用されたり、内容も歌詞とリンクしたり、
楽しめます。
少女たちの再生物語
玲も含めた6人の少女たち、
それぞれが自分への焦りや不安、孤独を
抱えていて、
毎日を息苦しく感じています。
でも、お互いの行動や言葉をきっかけに、
気づきを得て、
考え方を変えてみたり、
出口を見つけたりします。
閉ざしていた心に
穏やかな光が射していく様子が
胸に響きます。
人という字は、寄り添い合っているけど、
「ひとはそれぞれに直立の平行線
助け合うけど 寄りかかるな
誰かを杖に立ち上がるな」
ハイロウズの歌詞が引用される場面があります。
自分の足でしっかり立っている姿が
誰かの心に響き、
元気や勇気をもらう。
知らないところで、
人って支え合って、
助け合って生きてるのです。
独立した音符が互いに響き合い、
歌となるように
最後はクラスのみんなの心が一つになっていきます。
歌うこと、生きることの喜びをそれぞれが見つけます。
ハイロウズ
ブルーハーツ解散後の甲本ヒロトさんのバンドです。
今は活動はされていません。
ハイロウズの曲はシンプルなので、
一度聴くと頭から離れなくなります。
小説読みながら(読んでない時も)
脳内再生が止まらなくなりました。
どの曲も好きなのですが、
小説中にもでてきました。
人にはそれぞれ適した形というものがあって
自分の形を見つけるために日々迷って、
悩んでいる。
「バームクーヘン」が最高です。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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