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著…エドワード・ブルック=ヒッチング 訳…高作自子『愛書狂の本棚 異能と夢想が生んだ奇書・偽書・稀覯書』

 古今東西の奇々怪々な本や、巷には出回らない珍しい本を紹介している本。

 カラー写真が豊富で、しかも分厚い大型本なので、カタログのような感覚で眺めると楽しいです。


 どれもこれも個性的な本ばかり。

 この本の「暗号の書」、「偽りの書」、「神秘の書」といった章の名前までもが厨二病心をくすぐります。

 まるで本であるかのように見せかけておきながら実は毒薬を納める箱、というドイツの本も興味深いです。

 また、処刑された殺人犯の皮膚を使った事件簿も、この事件簿の存在自体が事件という感じがして不気味。

 他には、たとえば秘密結社や魔術といったミステリアスな世界に関する本もあります。

 世界最小の本にもびっくり!

 誰かが一度でもくしゃみをしたら永久に所在が分からなくなってしまいそう…。

 「ふえっくしょん! …アッーーー!」って感じで、くしゃみの主が青ざめそう。

 わたしは特に、冒頭で紹介されている「紙ではない本」に興味を引かれました。

 たとえば、中国の甲骨、シュメールの粘土釘、エジプトのミイラを包んだ亜麻布。

 紙の冊子という形態ではありませんが、「本」であると言えます。

 これらに刻まれた文字を眺めていると、古代にタイムスリップしたかのような感覚になります。

 どんなメッセージが書いてあるのかさっぱり分かりませんが、見ているだけでも古代の人たちの想いに触れられる気がして、ロマンチック。



 〈こういう方におすすめ〉
 古い本、珍しい本が好きな方。
 稀覯書の蒐集家。

 〈読書所要時間の目安〉
 5時間くらい。

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