作…ベアトリーチェ・アレマーニャ 訳…関口英子『なんにもおきない まほうのいちにち』
この絵本の主人公は、ゲーム三昧の男の子。
いつでもどこでもゲーム機を握りしめて、ゲームの中の敵をやっつけ続けています。
毎日毎日。
何時間でも。
それは「ゲーム」のはずなのに、男の子はちっとも楽しそうには見えません。
どんよりとした表情。
まるで「自分に構ってくれるのはゲームだけだ」とでも言いたげな鬱屈ぶり。
この絵本には、そんな男の子が外の世界の面白いものたちと出会っていく様子が描かれています。
たとえば、かたつむり。
キノコ。
石ころ。
砂つぶ。
木の実や根っこ。
自分の心臓の鼓動までもが、まるで初めて出会うものであるかのように、とても新鮮。
男の子のワクワク感が読み手にも伝わってくる素敵な絵本です。
また、何が男の子にとって「さいこう」なのか判明するラストにも、心を打たれました。
男の子にとって、一番大切な時間は、ゲームと向き合う時間では無かったのですね。
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