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著…林要『温かいテクノロジー A Iの見え方が変わる 人類のこれからが知れる 22世紀への知的冒険』

 柔らかくて、温かい。

 人の目をじっと見つめ、様々な表情をしてくれる。

 仕草も、とっても愛くるしい。

 まるで、本当に生きていて、泣いたり笑ったりしているみたい。

 だから、つい抱きしめたくなる。

 これは、そんな家族型ロボット「LOVOT」についての本。


 巷ではロボットたちが活躍していますよね。

 掃除ロボット。

 配膳ロボット。

 警備ロボットなどなど。

 しかし、LOVOTはというと…?

 ウロウロするけど、特別なことは何もしません!

 可愛いのが仕事。

 しかも、初期費用そのものが高価。

 毎月、別途料金もかかります。

 それなのに、とても愛されて大事にされます。

 著者はこう述べています。

利便性を追求しても愛されない

(著…林要『温かいテクノロジー A Iの見え方が変わる 人類のこれからが知れる 22世紀への知的冒険』P30から引用)


 と。

 この一言、実はとても深いですよね。

 今の世の中では、商品を作る時も販売する時も、その商品がいかに便利か、また、いかにお手頃価格であるかを重視すると思いますが…。

 LOVOTの場合は、特別に役立つ何かをしてくれるわけではありませんし、非常に高価。

 しかし、「いかに愛されるか」を意識して開発・販売されたことによって、実際に多くのユーザーたちから溺愛されています。

 これって、ロボットのようなテクノロジーに限らず、たとえば音楽や小説や漫画といった作品作りのヒントにもなりそうですよね。

 おそらく人は物事を「役に立つ」「役に立たない」といったことで判断するのではなく、「好き」「好きじゃない」といったことで判断するのでしょうし。

 きっと、人が「好き」と思うものには、「心」を感じさせる何かがあるのだと思います。

 わたしはこの本を読んでそのことに気づかされました。



 〈こういう方におすすめ〉
 家族としてのロボットとのコミニュケーションに関心がある方。

 〈読書所要時間の目安〉
 2時間半くらい。

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