著…城一夫、カラーデザイン研究会 絵…killdisco『世界のふしぎな色の名前』
古今東西の、詩的であったり、怪しかったり、可愛らしい「色」の名前と、その色にまつわるエピソードをまとめた本。
紹介されている色そのものが美しいのもさることながら、イラストも文章も柔らかで品があるので、お気に入りの一冊です。
「色」というと、単純に「赤」「青」「白」「黄」「緑」…といった風にひとくくりにしてしまいがちですよね。
しかし、例えば「赤」に分類されるタイプの色だけでも、明度や彩度といった微かな違いによって印象が全く変わってきます。
印象が変われば当然呼び名も変わります。
この本で紹介されている「赤」だけでも、「クラッシュド・ストロベリー」「猩々緋」「思ひの色」「血紅色」「ルージュ・エクルヴィス」「小悪魔ゴブリンの赤」「メディチ家の赤」「フェラーリの赤」といったようにバリエーションが豊富!
こうして豊かな色彩に関心を持つと、いつも目では見ているはずなのに普段は気に留めてこなかった身近な風景の「色」の繊細なグラデーションにも気づかされて、感動すら覚えます。
最近わたしの感性はカラッカラに干からびていたので、この本が良い気づきをくれました。
色を愛する瑞々しい感性をわたしも身につけたいです。
また、わたしがこの本の中で特に惹かれたのは、「ローズ・ポンパドゥール」「マリー・アントワネット」「ローズ・ドゥ・マルメゾン」「クレオパトラ」「紫式部」といった、人名にまつわる色。
華麗であったり、どこか儚げであったり、意思の強さを感じさせたりと、その人物のイメージと色のイメージが合っていて興味深いです。
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