著…小林章『まちモジ 日本の看板文字はなぜ丸ゴシックが多いのか?』
巷には色んな看板がありますよね。
また、この世には数え切れないほど多くの書体があります。
明朝体、ゴシック体、丸ゴシック体、角ゴシック体、楷書体、隷書体、金文体、Helvetica、Frutigerなどなど、全てを挙げようと思ったらたぶん一日以上かかります。
これは、「なぜ日本の看板には丸ゴシック体が使われやすいのか?」について考察した上で、外国の看板や標識、味のある書体について紹介している本。
書体マニアだけでなく、「旅行したいけれど諸事情あって出来ない」という方にもこの本がおすすめです。
国内外の写真が豊富に掲載されているので、まるで自分が外国の街角でふと立ち止まって建物を眺めている気分にもなれるからです。
例えば、「STOP」という標識だけでも、国によって雰囲気が異なります。
ドイツの「STOP」は縦長でカチッとしていて、「止まれ!」とはっきり注意喚起してくれる感じ。
フランスの「STOP」は文字そのものが強く主張せず柔らかいので、「止まりなさい」とやんわり諭してくれる感じ。
同じ文字のはずなのに、イメージが大きく異なるのが非常に面白いです。
著者もこうした書体の不思議にどっぷり魅せられている一人らしく、あちこち出かけては看板や標識の写真を撮りまくっています。
看板の職人さんにもインタビュー。
素晴らしい取材力!
こんなに文字を見ていたら文字に酔ってしまいそうですが…、きっととうの昔にその次元は超越していらっしゃるのでしょう。
ちなみに著者の職業は書体デザイナー。
なんという天職!
この本を読み終わったら、きっと誰もが今後看板や標識を見る度に「これは丸ゴシック体だ。読みやすさ重視なのかな?」とか「おっ、これは角ゴシック体だぞ。外国みたい」とつい気になってジッと見つめてしまうようになるでしょう。
わたしはそうなりました。
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