著…マーガレット・パウエル 訳…村上リコ『英国メイド マーガレットの回想』
英国メイドといえば森薫先生。
森薫先生といえば英国メイド。
というイメージをわたしは勝手に抱いていますので、この表紙絵を見た瞬間、わたしはこの本に飛びつきました。
1920年代頃の英国において裕福なお家のキッチンメイドとして働いていた女性の手記です。
著者の皮肉や愚痴が多いので、読み手によって好き嫌いがはっきり分かれる本だとは思いますが、わたしは著者の率直さに好感を持ちました。
飾り気のない、当時のリアルな様子が伝わってきます。
残念ながら森薫先生がこの本にイラストを寄せているのは装画部分のみ。
著者と森薫先生には直接的な関係はありません。
しかし、この本には森薫先生が漫画『エマ』で描いたような、
●「上流階級」「中流階級」「労働者階級」の深〜くて広〜い溝
●貧しい家で生まれた著者が裕福な家でキッチンメイドとして働き始めるまでのいきさつ
●キッチンメイドの仕事内容
●他の使用人さんたちとのやり取り
●労働環境への不満
といったものが綴られているので、まるで自分が昔の英国にタイムスリップしてメイドさんとして働きつつ同僚たちとわいわいヒソヒソぐちぐち言っているかのような気分を味わえます。
特に色恋沙汰の話が結構生々しくてびっくり…。
著者が淡々としているので読みやすいけれど。
当時のメイドさんたちの現実を垣間見られた気がします。
また、一言で「使用人」と言っても、執事、フットマン、パーラーメイド、上級と下級のハウスメイド、家庭教師、庭師、運転手、コックといった様々な人が出てくるので、それぞれの仕事にも関心を持てました。
各職業についての本も読んでみたいです。
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