作…松田もとこ 絵…狩野富貴子『おばあちゃんはかぐやひめ』
さきちゃんという小さな女の子がおじいちゃんとおばあちゃんちに泊まりこんで、たけのこ掘りのお手伝いをする…という絵本。
優しいタッチの絵と文章に癒されます。
※注意
以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。
竹林って、手入れをしないとすぐ広がってしまうんですよね。
でも、年配の方にはなかなかきつい作業。
だから毎年お父さん・お母さん・さきちゃんがおじいちゃんとおばあちゃんのお手伝いに来ていたようです。
でも、今回はお母さんの休みが取れず。
お父さんもさきちゃんを置いて帰ってしまいました。
今回の日程のうち、2日目までは和やかに進んでいたので、おばあちゃんはさきちゃんに絵本を読んでくれるくらい余裕があったのですが…。
3日目の朝。
アクシデント発生。
雨上がりの道でおばあちゃんが転倒!
4日目。
おばあちゃんの足が腫れていることが発覚!
…福祉の仕事をしているわたしは思わず、「高齢者の転倒→足が腫れている=骨折の疑いあり→入院→骨折なら安静という名目のもとでベッドに寝かせきり状態になる→せん妄になる可能性あり→…まさか…おばあちゃんがそれで〝おばあちゃんはかぐやひめ〟なんて言い出してそれでこの絵本はこのタイトルになっているのか…!? これはそんなにリアルな絵本なのか…!?」と、サーッと血の気が引く思いで勝手な想像を巡らせてしまいました。
でも、心配ご無用です。
おじいちゃんがさきちゃんに「ばあさんはむかし、『かぐやひめ』といわれとったんじゃからな」「ばあさんはひとりむすめでな。ここで生まれてそだったんじゃ」と、ちゃんと教えてくれました。
タイトルの謎が解けて、わたしもホッとしました。
わたしが想像した通りじゃなくて本当に良かった…!
そういう話は現実世界で涙が出るほど沢山見てきているから、絵本の世界はハッピーエンドを迎えて欲しいです!
この絵本の続きを知りたい方は、是非実際に読んで確かめてくださいね。
〈こういう方におすすめ〉
読むと優しい気持ちになれる絵本を読みたい方。
〈読書所要時間の目安〉
15分くらい。