著…カマたく『お前のために生きてないから大丈夫です　カマたくの人生ざっくり相談室』

　著者がこの本のことを「ゴミ分別マニュアル」と表現しているのが興味深いです。

お前のために生きてないから大丈夫です カマたくの人生ざっくり相談室

　著者曰く、悩み＝無駄＝ゴミ。

　自分が抱えている悩みが、

　●そもそも悩む意味が全くない、そのまま捨てていい悩み

　●縛る、洗うといった、何かしらの作業を経てから捨てる悩み

　●捨てた後の処理まで必要な悩み

　のどれなのか分別して捨てやすくするヒントを貰える本です。

　著者はどの相談者から寄せられたどんな悩みにもズバッと歯に衣着せぬ回答をするのですが、その中に優しさが垣間見えるので、この本を読んでいると痛快な気分になれます。

　特に、『そうだん20』に掲載されている、「仕事で悪質なクレーマーが頻繁に来て、対応に困っています」という相談に対して、

　「〝変なヤツに絡まれたウケる〟って笑お」

　「変なヤツの言葉をまっとうに受け取る必要はないからね」

　「欠かさず挨拶することで、静かになったクレーマーの爺さんもいたわ。文句を言われる前に〝おはようございます〟って言ってちょっとした雑談するようにしてたら、どんどん普通の態度になっていったのよね。つまり、下手に出てバカ丁寧に謝るだけが対処法じゃないってこと。クレーマーすらもびっくりするような意表をついて、1回黙らせたらこっちのものよ」

（『そうだん20』から引用）

　という著者の軽やかな発想が好きです。

　もし誰かに嫌なことを言われても、それをそのまま受け止めていちいち傷つくのではなく、「この人とこの人の言葉は自分の人生に必要か？」を考えて、「記憶に留めておく」のか「ゴミだから捨てる」のかを分別するのが大事だ、とわたしはこの本から学びました。