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著…穂村弘『短歌のガチャポン』

 1ページごとに短歌が一首紹介されている本。

 頭にスッと入ってきて、心にじんわりとしみ込む。

 そういう作品ばかりです。

 ⭐️Kindle版

 ⭐️単行本版


 わたしが特に惹かれるのは、

 今日君が持ってる本を買いました。もう本当のさよならなんだ   福島遙

(著…穂村弘『短歌のガチャポン』から引用)


 …一体何があったのでしょう?

 「君」はどんな人なのでしょうか?

 「本当の」と付くからには、これまでにも何度か別れがあったのでしょうか?

 そして今回こそ決定的な別れなのでしょうか?

 とても気になってしまいます。

 しかし、この本の中では、詳しいことは語られません。

 著者による解説があるにはあるのですが。

 ちなみにわたしは以前、とうの昔に亡くなった大好きな人の愛読書を購入したことがあります。

 その人が愛した本を読めば、その人と会えるような気がして。

 もしかしたらこの短歌の主人公も、それに近いような想いで「君が持ってる本」を買ったのでしょうか…?

 また、

 もう君の夢をみないと約束をさせられた日にみた君の夢    古賀たかえ

(著…穂村弘『短歌のガチャポン』から引用)

 という作品も気になります。

 「みない」と言ったって無理ですよね。

 たぶん、「君」のことが好きだから。

 また、

 幾たびもあなたの頬を拭ってた泣いているのはわたしなのにね   鈴木美紀子

(著…穂村弘『短歌のガチャポン』から引用)


 にもドキッとしました…。

 辛い情景が浮かんできますが、まるで映画のよう…。


 〈こういう方におすすめ〉
 等身大の言葉で詠まれた短歌が好きな方。

 〈読書所要時間の目安〉
 3時間くらい。

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