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著…松崎朝樹『1分で精神症状が学べる304』

 たとえば「躁状態」や「洗浄強迫」という名前を聞くと、「どこかで聞いたことがあるかも」と思ったり、その言葉の雰囲気から大体どんな症状なのかイメージが浮かんだりしますよね?

 この本には、そうしたものから、たとえば「ガンザー症候群」といったその名前を聞いただけではどんな症状なのかイメージが浮かばないようなものまで、なんと304もの精神症状が紹介されています。

 1つの精神症状につき1ページという分量なので、自分のペースで読み進めやすいです。

 まずは広く浅く精神医学の世界に触れてみたい方におすすめ。

 ⭐️Kindle版

 ⭐️単行本版


 わたしはこの本で初めて「コタール症候群」の存在を知り、衝撃を受けました。

 うつ病や双極症による最重度の抑うつ状態で生じる妄想状態のこと。
 自分の体がもう存在しないという身体的否定妄想や、自分はもう死ぬことができないという不死妄想が生じる。一般的に不老不死は憧れの対象だがこの場合はそうではない。

(著…松崎朝樹『1分で精神症状が学べる304』P42から引用)


 自分の体がもう存在しない…!?

 死ぬことが出来ない…!?

 一見、SF映画の主人公みたいに思えてしまいますが、この症状がある方自身はさぞやお辛いでしょうね…。

 「自分は生きていない」と思ってしまうのなら、飲食や睡眠をとる必要性を感じられなくて、やがては倒れてしまうかもしれませんし…。

 「死ぬことが出来ない」というのも、よくよく考えると絶望感が漂います。

 「死」はある意味、解放でもあります。

 その希望が無くなってしまうなんて…。


 〈こういう方におすすめ〉
 広く浅く精神医学の世界に触れてみたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 5時間くらい。

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