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著…蛇蔵&海野凪子『日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典』

 この本の7割くらいは漫画なので、読書の習慣がない人にも読みやすいです。

 『枕草子』『紫式部日記』『御堂関白記』『大鏡』『今昔物語集』『更級日記』『方丈記』『徒然草』『古事記』について、どういう人物がどんな動きをした内容なのか、漫画で楽しく紹介してくれます。

 それぞれ、清少納言、紫式部、藤原道長、安倍晴明、源頼光、菅原孝標女、鴨長明、兼好、ヤマトタケルが登場。

 古典文学って、作者と作品名とあらすじ程度なら学校で学んだことはあっても、具体的にどんな面白みがあるのか分からずに、「古典文学って難しそう!」と思ったままの人は少なくないはず。

 でもそれってとってももったいない!

 まずはこの本のように取っつきやすい本からスタートして、「昔の人も今の人もさほど変わらないなぁ」と古典文学の魅力に目覚めて欲しいです。

 特に、巻末の方で少し紹介されている『堤中納言物語』は、現代への影響が分かりやすいので興味深いです。

 虫愛づる姫君を描いたこの物語は、続きがありそうな終わり方をしているのに、続きがなかった。

 そのため、

「この先が気になってナウシカが生まれたと宮崎駿氏談」
 (単行本版P119から引用)

 というのですから驚かされます。

 『堤中納言物語』は平安後期以後に成立した短編物語集で、作者は不詳とのことですが、作者様、よくぞ虫愛づる姫君を描いてくれました!

 よくぞ続きが気になる終わり方をしてくれました!

 わたしもナウシカの大ファンの一人としてお礼を申し上げたいです。

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