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著…内藤直子『刀装具 〝超絶技巧〟の源流』

 パッとこの本を開いた時に見えた、柳生家伝来「茗荷沢瀉透鍔 無銘尾張」(みょうがおもだかすかしつば)のあまりの格好良さに一目惚れ!

 この鍔を生み出した桃山時代の職人さんが何という名前でどんな人物だったのかは分からないけれど、その職人さんの美学がこの鍔を通して凛と伝わってくるような気がします。

 鉄の塊がところどころゴツゴツしていて、力強くありながらも、どこか水墨画を思わせる静けさ。

 どんな方が、どんな刀にこの鍔を使い、どんな縁やどんな目貫に合わせていたのだろう…?と想像するとワクワクします。

 個人蔵だそうで、所有者の方が羨ましい。

 何時間でもこの鍔を思う存分鑑賞出来るじゃないですか!

 なんという贅沢!

 また、この本にはこの鍔の他にも、超絶技巧の作品が紹介されているので、美しい物を愛でたい方におすすめです。

 これを生み出すのに一体職人さんは何日の月日をかけ、どれほどの魂を注ぎ込んだのだろう…と狂気をも感じさせる作品もあれば、「月に叢雲」の裏に北斗七星を取り合わせて頭に蝙蝠を仕込んだ作品や、影透という技で分福茶釜を透かし抜いたユーモラスな作品もあり…、職人さんの仕事って凄いな…と圧倒されます。

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