編…石川桂子『竹久夢二♡かわいい手帖 大正ロマンの乙女ワールド』

 誰かを想っているかのように、憂いを帯びた美しさ。

 自分も竹久夢二のイラストに描かれた乙女に少しでも近づきたい! と思っている方におすすめの本です。

 わたしが好きなのは、「大正乙女になりたい夢二流メイク&着こなし」というページ。

 まず、メイクのコツは、

 桃色の頬紅をほんのりつける。唇は紅を塗って、小さくつぼめたおちょぼ口で。顔から首筋、襟足も色白に。つけぼくろをして、ちょっとミステリアスに。

(編…石川桂子『竹久夢二♡かわいい手帖 大正ロマンの乙女ワールド』 P80から引用)


 着こなしは、

 肩の力を抜いて着物をゆるやかに装う。襟は少し開ける。帯は胸のあたりに高く締める。肌の露出は多くせずに着物の場合は時折、袖や裾から自然に手足を見せる。

(編…石川桂子『竹久夢二♡かわいい手帖 大正ロマンの乙女ワールド』 P80から引用)


 そして何より大切なのは、

 メイクは薄く控えめにしつつ、可憐な表情を浮かべましょう。そして着こなしを含めて姿形は、ゆったりとした雰囲気を醸し出すことが大切です。

(編…石川桂子『竹久夢二♡かわいい手帖 大正ロマンの乙女ワールド』 P80から引用)

 ということ。

 ただ外見を真似するだけでは駄目なのですね。

 可憐な表情や、ゆったりとした雰囲気を醸し出すのは、容易く出来ることではありません。

 心を養わなければ、竹久夢二の描いた乙女には近づけないのでしょうね。

 「少女」も「女性」も超越したところにいる「乙女」へと。



 〈こういう方におすすめ〉
 竹久夢二の描く女性像が好きな方。

 〈読書所要時間の目安〉
 2時間くらい。

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