著…桂望実『総選挙ホテル』
決して悪いホテルではないのに、どんな企画をしてもどんどん経営が傾いていく「フィデルホテル」。
起死回生の一手としてフィデルホテルの新社長が選んだのは、スタッフ皆の総選挙。
総選挙の結果に基づいて、適材適所の人員配置とリストラを決行!
というストーリーの小説です。
※注意
結末までは明かしませんが、以下の文にはネタバレを含みます。
味の変化に敏感な人は企画部から料飲科へ。
人当たりが良くて親切な人はフラワー課からフロント部門へ。
イケメンは調理科からベルボーイ部門へ。
人生経験豊富で、ほんの少しの水滴も見逃さずに拭き上げる派遣清掃スタッフは契約社員としてウエディング担当へ。
という具合にうまく配置されていくのが小気味良いです。
まるでパズルのピースがうまくはまっていくみたい。
適材適所ということは、誰かが自分の良いところに気づいてその部署に推してくれたということ。
また、点数をつけられれば自ずと競争意識も芽生えます。
仕事への熱が高まっていくと共に、スタッフ同士が「お客様の望むことを叶えたい」と協力し合うようになっていく描写も爽やか。
また、ホテルの熱烈なファンである老婦人:今井さんの存在も魅力的です。
今井さんはベルボーイと会話を楽しむ中で、
とおっしゃいます。
粋ですね、今井さん!
ホテルステイってそういう楽しみもあるんですね。
〈こういう方におすすめ〉
ホテルで過ごすのが好きな方。
〈読書所要時間の目安〉
1時間半〜2時間くらい。
この記事が参加している募集
いつもスキ・フォロー・コメント・サポートをありがとうございます😄 とても嬉しくて、記事投稿の励みになっています✨ 皆さまから頂いた貴重なサポートは、本の購入費用に充てさせていただいています📖