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監修…佐々木掌子『LGBTだけじゃない!わたしの性 好きのありかた』

 誰かを好きになってもいい。

 誰かを好きにならなくてもいい。

 好きな人に恋愛感情や性的欲求を持つ人もいるし、持たない人もいる。

 みんなそれぞれ違う個性を持っている。

 これは、イラストや漫画をまじえながら、「好き」には決まった形がないことを分かりやすく教えてくれる児童書。

 小学生以上のお子さんの性教育としてこの本を活用するのもおすすめ。

 「多様性」と言うと、すぐにLGBTを思い浮かべがちだと思いますが、それだけではなく、心には無限の多様性があるということがこの本を読むと伝わってきます。

 なのに、

 イルカは特別な相手とはからだを触れ合ったり、呼吸を合わせて泳いだりする。
 そして、その相手の性別は異性とは限らない。
 実は、そういう生きものはたくさんいる。
 鳥も、魚も、虫も、哺乳類も。
 もちろん、人間もそうだね。
 イルカも人間も自分の好きな相手に好きだということを態度や行動で示す。
 だけど、それをバカにしたり、これは問題だ! と言い出したり、仲間外れにしたりする動物は人間だけなんだ。

(監修…佐々木掌子『LGBTだけじゃない!わたしの性 好きのありかた』


 といった風に、なぜか人間社会ではまだまだ誰かの決めた「普通」の枠に無理やり心を当てはめようとされるから、窮屈ですよね。

 男性と女性のカップルからしか子どもは生まれないから、人口を増やすために、異性愛を推奨することが人間社会を構築する上で都合が良かったのでしょうけれど。

 誰かを好きになることも、好きにならないことも、とても自然なことで、それを否定する権利は誰にもないのに…。

 イルカのような他の生き物たちのように、人間も軽やかに生きられたら良いですね。

 心は本来どこまでも自由だから。




 〈こういう方におすすめ〉
 性や心の多様性に関心がある方。

 〈読書所要時間の目安〉
 30分くらい。

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