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音楽

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好きすぎて感想をまとめきれない音楽について。
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キズ『地獄』

キズ『地獄』

 天と地を切り裂く絶叫のような曲。

 生きることは苦しいです。

 きっと死ぬことも苦しいです。

 覚えてはいないけれど、多分、生まれる時も苦しかったです。

 この世こそが地獄。

 それなのに人はなぜこの地獄で生きるのでしょうか?

 人ひとりが成せることは限られているのに。

 どんなに心の底から望むものがあっても、たいてい手に入らないのに。

 死んだことにすら誰にも気づいてもらえない

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Raphael『秋風の狂詩曲』

Raphael『秋風の狂詩曲』

 わたしがこの曲と出逢ったのは、2000年の秋。

 初めてこの曲を聴いた時、わたしの心の中にこんな情景が浮かびました。

 セピア色に染まった並木道のベンチに、ある日、ひとりの女性が腰掛けます。

 彼女はバッグから一冊の詩集を取り出します。

 たぶん、それはハイネの詩集。

 彼女はここに通ううちに、何度も詩集を読んだので、実はもうすっかり内容を覚えてしまっています。

 けれど、今日もまた

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Raphaelは永遠に。

Raphaelは永遠に。

 わたしと相互フォローしてくださっているSachiさんが11月28日に新宿HEISTでライブをするそうです。

 こういう時にパッと都内まで行けないのが地方民の辛いところ…。

 行ける方たち、どうか楽しんで来てください。

 しかも今回演奏するのは、Raphaelの名曲たちだそうです!

 いいなあ。

 きっと天国にいる華月くんも喜ぶことでしょう。

 Raphaelのいちファンとしても嬉しい

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女王蜂『メフィスト』

女王蜂『メフィスト』

 愛憎と、恍惚と、執着と、失望と…。

 生々しい感情たちを孕んで限界まで膨れ上がった、数えきれぬ人間たちの視線。

 それらが激しくぶつかり合いながら、ステージの上のたった一人にのみ注がれる…。

 そんな不気味な様相を呈す曲です。

 MVはかっこいいけれど恐ろしいです。

 みんなに囲まれているにもかかわらず、とても孤独だから。

 THE FIRST TAKEからは、自分は腹を括って「見ら

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令和6年8月9日 「キズ 単独公演 Peace begins with…」長崎公演 に行って来ました(後編)

令和6年8月9日 「キズ 単独公演 Peace begins with…」長崎公演 に行って来ました(後編)

 照明が落とされて。

 しばしの沈黙。

 やがて波のように歓声が湧き上がりました。

 わたしにはさっぱり見えないけれど、メンバーたちがステージに現れたのが分かりました。

 一曲目は『黒い雨』。

 初めて聴く曲のような気がしました。

 これまでに何度も聴いた曲なのに。

 歌い出しに心を鷲掴みにされました。

 それがまるで悲鳴のようだったから。

 平和を祈る曲にも、ラヴソングにも聴こ

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令和6年8月9日 「キズ 単独公演 Peace begins with…」長崎公演 に行って来ました(前編)

令和6年8月9日 「キズ 単独公演 Peace begins with…」長崎公演 に行って来ました(前編)

 8月6日と8月9日は、日本人にとって忘れてはいけない日。

 そんな8月6日に広島で、8月9日に長崎で、わたしの大好きなバンド「キズ」がライヴを行いました。

 わたしは本音を言うと両日とも行きたかったのですが、仕事の都合でどうしても8月6日は休みが取れず。

 8月9日については休みをもぎ取りました。

 あらゆる仕事を、前倒しにして終わらせました。

 その分ハードワークだったため、体はボロ

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コドモドラゴン『BAD‼︎』

コドモドラゴン『BAD‼︎』

 わたしは夜、高速道路を運転する時にこの曲を聴くのが好きです。

 まるで車と自分が合体したかのような感覚を味わえるから。

 サビの叫びに合わせてアクセルを踏み込みたくなってしまうので、くれぐれも速度のルールを守らなければなりませんが。

 ストレス社会で生きていると、人はこうして、走り出したい・叫び出したい時があるのです。

 それは体の奥底から湧き上がるような衝動。

 うまくストレスを発散

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ΛrlequiΩ『白紙の手紙』

ΛrlequiΩ『白紙の手紙』

 いつだって苦しかった。

 この世にたった独りぼっちのような気がして。

 今もまだ、暗闇の中を手さぐり。

 そんな方に聴いていただきたい曲です。

 自分が抱えている感情に、名前をつけることが出来ない。

 言葉で誰かに説明することも出来ない。

 この心を打ち明ける相手もいない。

 そうした絶望感を歌った曲だと思います。

 なのに、透き通るような美しさ。

 泣きたくなるくらい綺麗です

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Todrick Hall(feat. RuPaul)『Low』

Todrick Hall(feat. RuPaul)『Low』

 オトナ向けの『オズの魔法使い』の世界を妖しく表現した曲。

 中毒性の高いMVに病みつき。

 これまでに何度も視聴しているのに、気がついたらついまた初めから再生してしまいます。

 決して、可愛らしいお嬢ちゃんというだけではないドロシー。

 「良い魔女? それとも悪い魔女?」という区別どころか性別をも超越した、ボス感の強い魔女。

 勝てる気がしない。

 キレキレのダンスで、

 「踊ろう

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lynch.『PHOENIX』

lynch.『PHOENIX』

 燃え盛る翼を広げて、夜の街を飛翔する。

 そんなダークヒーローをイメージさせる曲。

 決して正義の味方じゃない。

 でも、悪でもない。

 弱き者のために毎夜戦う。

 声なき声だって聴き逃さない。

 何度でも、誇り高きその翼を広げる。

 自分自身をも灼く激しい炎に苛まれながら。

 …わたしはこの曲を聴く度、そんな主人公のイメージを勝手に思い描きます。

 そういうアニメ映画を観たい

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Dir en grey『予感』

Dir en grey『予感』

 わたしがDir en greyの存在を知ったのは、子どもの頃に『予感』を聴いたのがきっかけ。

 落雷に貫かれたかのような衝撃を受けました。

 その頃聴いていたどの音楽とも違うかっこよさ。

 艶やかな大人の世界。

 どこか寂しげで。

 透き通るような冷たさと美しさがあって。

 まるで、心に傷を抱えた青年に一目惚れしたかのような感覚でした。

 今思うと、この曲の歌詞は、子どもが知るには

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Raphael『Evergreen』

Raphael『Evergreen』

 アルバム『Raphael Singles』収録曲。

 漫画に出てくるような青春に憧れた。

 友情。

 初恋。

 「自分もあんな風に生きたい」と願った。

 けれど、その夢は叶えられなかった。

 10代という、決して取り戻せない日々は、永遠に失われてしまった。

 …そんな方は少なくないのではないでしょうか?

 この曲の作詞・作曲を行った、バンド「Raphael」のギタリスト・華月くん

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MY FIRST STORY ×HYDE『夢幻』

MY FIRST STORY ×HYDE『夢幻』

 永遠の命。

 それは古来より、人類が追い求めてきたテーマ。

 老いを「醜いもの」だと思って、目を逸らし、抗ってきました。

 死を「忌むべきもの」として避けてきました。

 けれど、「永遠の命」とは、一人だけがいつまでも生き続けることを指すのではない…と、この曲は教えてくれます。

 ※注意
 以下の文は、『鬼滅の刃』に関するネタバレを含みます。

 これは『鬼滅の刃』のお館様と無惨、それぞ

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キズ『銃声』

キズ『銃声』

 アルバム『仇』収録曲。

 何度再生しても鳥肌が立ちます。

 聴かない日は無いくらい毎日聴いています。

 わたしがこの曲のことを、というかキズの存在を初めて知ったのは、MUCCの逹瑯さんとキズの来夢さんが「一撃」という企画でコラボしたYouTubeの動画がきっかけです。

 YouTubeの「おすすめ動画」に出てきたのです。

 YouTubeのおすすめ機能って本当に優秀!

 わたしはこの

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