Dir en grey『予感』
わたしがDir en greyの存在を知ったのは、子どもの頃に『予感』を聴いたのがきっかけ。
落雷に貫かれたかのような衝撃を受けました。
その頃聴いていたどの音楽とも違うかっこよさ。
艶やかな大人の世界。
どこか寂しげで。
透き通るような冷たさと美しさがあって。
まるで、心に傷を抱えた青年に一目惚れしたかのような感覚でした。
今思うと、この曲の歌詞は、子どもが知るには早すぎるのですが…。
体は繋がれても心は結ばれないふたりを歌った曲なのか、それとも逆なのか…、どんなに想像しても分からなくてドキドキして。
あの出会いの日からずっと、わたしはDir en greyのファン。
『予感』だけでも何千回、いや何万回と再生してきました。
不思議な中毒性があって、何度聴いても飽きないのです。
子どもの頃から、「わたしはきっといつかおばあちゃんになっても『予感』をずっと聴き続けていくのだろうな」と確信していました。
なお、こちらが1999年に発表されたDir en grey『予感』。
なんと2024年に『予感』の再構築版が発表されました。
「再構築」という表現がまた素敵ですよね。
なんだか錬金術みたい。
1999年版と2024年版を聴き比べてリピートするのが楽しいです。
この曲で歌われた主人公の心の変化に触れられるから。
「僕」から「俺」へ。
ベースとなるメロディーはそのままに、甘い吐息をつくような、しっとりと大人の色香を纏った雰囲気が素敵です。
若い頃の危うさや儚さは抑えられながらも、そこに渋さや深みが加わって、より艶やかになった…、そんな感じがします。
まるで、かつては憂いを帯びていた青年が、思い出を背中で語る男性になったかのようなイメージ。
きっと、主人公には、忘れられないひとがいるのでしょう。
25年の時を経ても。