自尊感情
先日、『「性格が悪い」とはどういうことか』という本を読んだ。その中で「自尊感情」という概念が紹介されていたのだが、これがなかなか興味深い。世間では「自己肯定感」という言葉で表現され、高いとか低いとか云々されていたりする。
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まずは「自尊感情」という概念の定義を確認する。著者の解説を、次に引用したい。
ここで注目したいのは、「現実自己」と「理想自己」である。この二者間のギャップが小さいか大きいかによって、自尊感情の高い低いが決まる。
目標としている理想的な姿があり、それに近づけるよう、日々自分磨きをする。その結果、完璧とは言わないまでも、理想像に肉薄できているという感覚がある人は、「現実自己」と「理想自己」のギャップの小ささから、自尊感情は高めであると言える。
さてここまで来れば、当然考えざるをえなくなるのが、自分自身の自尊感情である。
自覚としては、正直、自尊感情が高いのか低いのか判然としない。これが本音である。細かく言えば、「現実自己」がはっきりしないのだ。
著者の小塩真司の言に従えば、「現実自己」のイメージが曖昧な私は、自尊感情が低いということになる。……まあ、そうなのかもしれない。
私が普段、自尊感情の高い低いを意識せずに生活ができているのは、仮に実態は低かったとしても、それがポジティブに機能しているからである。
個人的には、「自尊感情の低さ」と「読書」は相性がいいと思っている。
読書は、足りないもの、過剰な部分、に気づかせてくれる。この効用を素直に引き受けるためには、自尊感情は高いより、低い方がいいかもしれない。もちろん、低すぎては、読書をする気力も起きないかもしれないが。
ここまで読んでくださった方は、日常的に、自尊感情の高い低いを気にすることがあるのだろうか。気になるところである。
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