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津村記久子/君は永遠にそいつらより若い

あの子のこと。あの子のことをテレビで見たときに食べていたほうれん草のおひたし。冷や汗の滲んだ座布団の不愉快な感触。枕の匂い。(中略)君を侵害する連中は年をとって弱っていくが、君は永遠にそいつらより若い、その調子だ、とわたしの悪辣なまでに無責任な部分が笑った。
津村記久子『君は永遠にそいつらより若い』

タイトルが秀逸。

世の中に出た当初は『マンイーター』というタイトルだったと教えていただいた。

書籍化のタイミングで改題したという。

改題されていなかったら手に取らなかった可能性すらあるのだからタイトルがいかに大切か。

2021年映画化とは知らずに引っ張り出した芥川賞作家のデビュー作にして太宰治賞受賞作。デビュー作が鮮烈な印象の作家は多い。

モラトリアムな学生の話かなと思いきや理不尽な暴力に向かう独特のリズム。

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