フリースタイル書評バトル第2回「出版芸人」ーNo.3『僕はビートルズ』
本と出会えるサイトホンシェルジュの新企画「フリースタイル書評バトル-芸人編-」。芸人におすすめの本を紹介し合ってもらう執筆バトルで、皆さまからの投票で連載権を獲得する芸人が決まります。(詳細は過去のnoteをご覧ください)
ホンシェルジュのサイト上にアップした本企画の記事ですが、このマガジン記事では芸人による作品紹介文の部分だけを読みたいという方向けに、1作品ごとに公開しています。
■第2回「出版芸人」参加芸人
当記事は、こちらの参加者のうちの誰か1名が執筆したものです。
・芋洗坂係長
・Hi-Hi 上田浩二郎
・マシンガンズ 滝沢秀一
・オジンオズボーン 篠宮暁
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No.3『僕はビートルズ』
今もなお、多大な影響を与えているビートルズ。キリストの生誕を境に BC/AC と分かれたように、ビートルズが売れる前と後では世界が別物に変わったと言われています。
そんなビートルズがデビューする前にもしも行けたとして、自分がビートルズに成り代われるとしたらあなたはどうしますか?
この漫画の主要人物4人はビートルズの大ファン。本物さながらの演奏テクニックでコピーバンドを組んでいたが、方向性の違いで解散しようと揉めていると電車が迫る線路へ押し出され光のなかへ。気がつくと、なんとビートルズがデビューする1年前の1961年へタイムスリップ。
ここから物語が展開していくんですが、葛藤が実に生々しい。
ビートルズに成り代わってビートルズになろうとする者。
それをすると本物が世に現れなくなってしまうので反対する者。
ビートルズの曲を先に発表しきった後、本物のビートルズがどんな曲を作るのか見たい者。
読んでる途中で頭に浮かぶのは、もし自分が過去に行けたら「誰に成り代わりたいか?」ということ。
作中の彼らのように今や名曲として知られるものも過去に持って行ってしまえば盗作し放題。 サザンにだってミスチルにだってなれるわけです。ITに詳しければビルゲイツやジョブズにだってなれる。
1番胸が躍ったのはダウンタウン結成前にダウンタウンの漫才を先に世に披露するという想像でした。
しかしその後はどうなるでしょう?
盗んだ技術だけでやっていけるのだろうか。
盗作したという罪に苛まれないだろうか。
盗作した事実が誰かにバレないだろうか。
そもそも元の時代には戻れるのだろうか。
そんなその後の「もしも」もこの作品では丁寧に描かれています。
究極のたらればの世界をご堪能ください。
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