フリースタイル書評バトル第1回「今、ラジオが面白い芸人」ーNo.3『レヴォリューションNo.3』
本と出会えるサイトホンシェルジュの新企画「フリースタイル書評バトル-芸人編-」。芸人におすすめの本を紹介し合ってもらう執筆バトルで、皆さまからの投票で連載権を獲得する芸人が決まります。(詳細は過去のnoteをご覧ください)
ホンシェルジュのサイト上にアップした本企画の記事ですが、このマガジン記事では芸人による作品紹介文の部分だけを読みたいという方向けに、1作品ごとに公開しています。
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No.3『レヴォリューションNo.3』
この本を読み終わったあと、僕は外に飛び出した。なんだかとても走り出したくなったのだ。この衝動を、この胸のドキドキを、なんて言えばいいんだろう。僕はこの作品からロックンロールが聴こえた。
落ちこぼれ男子校に通う主人公の「僕」たちが、高校3年生を迎えた今年、とある作戦に頭を悩ませる。それは厳重な監視のうえ強面のヤツらががっちりガードするお嬢様女子高の文化祭へどうやって突入するか。病気で入院してる友達ヒロシのために、主人公の僕はクラスの仲間たちと一緒に、奮闘する。しかしその作戦には様々な問題が立ちはだかって……といった内容。
「君たち、世界を変えてみたくはないか?」
(『レヴォリューション No.3』より引用)
きっかけは生物教師・米倉の一言。退屈な日々を繰り返す「僕ら」は感電する。
彼らは、世の中が作った世界に、一発風穴を開けようとする。世界をまるごと変えることは出来ないが、ひと泡だけでもふかせようと。
昔のように、学生運動や戦争など、与えられた物語のない彼ら。さらには、現代の物語である学歴にも縁がない彼ら。
彼らは、自分たちで物語を作るしかない。無から有を創りだす、人間の、若者のエネルギー。主人公たちのそのエネルギーは、本から溢れ出して、それは読んでる僕にも伝わって、その熱は伝染して、僕を真夜中に走らせた。それは明らかにこの本がロックンロールを鳴らしたのだ。
とにかく胸がすかっとして、気持ちいい。仲間や先生、いろんな個性的な登場人物。一人ひとり抱きしめたくなる愛着のわくキャラクター達。こんなクラスにいたかった。僕は32歳ですっかり大人だけども、読んでるうちにすっかり17歳だった。何度でも何度でも、青春を。立ち止まって今をもがいてる人全員に読んでほしい。ほら、走ろうぜ。
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■第1回「今、ラジオが面白い芸人」参加芸人
当記事は、こちらの参加者のうちの誰か1名が執筆したものです。
・三四郎 相田周二
・サンシャイン 坂田光
・空気階段 鈴木もぐら
・かが屋 賀屋壮也
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