午後の微睡み

とても暑い。
暑いが冷房は苦手だ。
喉が渇いて痛くなる。
体が冷えて冷たくなる。
死んだ人の気がしてくる。

エアコンはつけない。
窓という窓を開けて
扇風機を弱にして回す。
本を読みながら
瞼が下がって眠くなる。

暑さでぼんやりして
まどろんでくる。
微睡みの始まりである。
わずかな睡眠、
午後の穏やかなシエスタ。

熱中症にならないかと
妻は心配するが、
冷房が嫌いだから仕方ない。
汗をだらだらかきながら、
いい夢が見たいと微睡む。

ふと目覚めると夕方。
ぼんやり庭を見やると、
太陽は西の空に傾き、
赤い夕焼けになりかけ。
汗びっしょりのティシャツ、
やるせない幸せ。