「BBC Proms JAPAN 2022Prom」_2022年10月31日
2022年10月31日。ハロウィンの夜に渋谷のオーチャードホールで開催された、「First Night of the Proms」という演奏会に行ってきました。
この演奏会は、ロンドンを中心に毎年夏に行われる「BBC Proms」という世界最大級のクラシック・ミュージック・フェスティバルの一環で、東京・大阪で開催される「BBC Proms JAPAN 2022Prom」のうち、6日間にわたる東京公演の初日に当たります。
指揮者はウクライナ生まれのダリア・スタセフスカ。ソリストは、スコットランド出身のヴァイオリニストであるニコラ・ベネッティ。
演奏会の直前まで仮装行列でにぎわう渋谷を歩いていたこともあり、1曲目に演奏された藤倉大による現代音楽「Glorious Clouds」は、タクトを振るダリア・スタセフスカが、まるで風を集めているように見えました。
幾重にも重なるヴァイオリンの音は、地を颯爽と駆け、天高く吹き抜ける風のイメージで聴きましたし、美しい刺繍の施された衣装をまとった指揮者の姿は、幻想的な存在に感じられたのです。
そして、2曲目はシベリウス「ヴァイオリン協奏曲 ニ短調Op.47」、休憩を挟んで3曲目にショスタコーヴィチ「交響曲第5番 ニ短調『革命』Op.47」を聴きました。
ショスタコーヴィチは、ちょうど1年前にこのホールで、尾高忠明さん指揮、N響のオケで聴いた日のことをしみじみ思い出していました。”ショパンコンクールの優勝者”として初めてブルース・リウさんのピアノを聴いたのも同じ日でした。
去年、ショパンの華やかな演奏後に聴いた「革命」では、壮大な物語が展開していく様をイメージしたのですが、今回はシベリウスとショスタコーヴィチにつながりを感じ、いろいろな事があってゴタゴタしている人生をまるごと肯定して、「それでも行こう。もちろん行かなくてもかまわない」と力づけてくれるような曲に感じられました。
ちょうどこの日は、ちょっとだけ心がザワつきかけていたので、音楽の力でとても癒されました。私の人生に音楽があることを心から感謝します。
(数日経った今となっては、何が原因だったかスッカリ忘れてしまいました。比喩ではなく、我ながら笑ってしまうほど単純。心はたやすく元気になり、ただ「あの時はああいう風が吹いたのだな」とだけ思っています。)
https://note.com/hommaayako/m/m7aa722ae8434