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60粒のコーヒーは、ベートーヴェンの味?
かの有名なベートーヴェンは、毎朝コーヒーを淹れる事が日課だったそうです。
それもただコーヒーを淹れるだけでなく、毎日コーヒー豆を60粒数え、コーヒーミルで挽いて入れることにこだわっていたそうです。
コーヒーは、繊細で複雑な味と香りに加えて、覚醒作用のあるカフェインが入っている数少ない飲み物です。創作活動を仕事にする音楽家がコーヒーに魅了されるのは、必然的なのかもしれませんね。
とはいえ、これを知った私は、なんだか急に興味が湧いてきました。
60粒って、どうやって定めたのだろう?
40粒、50粒、59粒と試していったのかな?
なんて朝から想像を巡らせていると、朝のコーヒー時間が一瞬に過ぎ去ってしまいました。
午後のコーヒー時間には、ベートーヴェンのコーヒー時間を体験してみようと思い立って、私も60粒を数えてみることにしました。
なんだか、よくあるコーヒー好きの人たちのコミュニケーションのようです。
A「いつもどうやってコーヒーを飲んでいるの?」
B「いつも60粒、きっちり数えてお気に入りのミルで挽いて淹れているよ。」
A「へえ、今度、それで淹れてみよう。」
コーヒーを通しての何気ないコミュニケーションを、時代を超えてベートーヴェンと行っていると思うと、この気分はもう、ただの自宅コーヒーではなくなってしまいます。
粒を合わせたら重さはどうなるのだろうか、そんな好奇心もあったので3回測ってみました。
家にあった中煎りのお豆で数えます。
1回目、9.1グラム。2回目、9.4グラム。3回目、9.2グラム。
一杯のコーヒーカップの粉の量を約10グラムと考えれば、現在飲まれているコーヒーも、ベートーヴェンの時代に飲まれていたコーヒーも、豆の量にさほど変化はなかったのかもしれませんね。
私が淹れた約9グラムのコーヒーは、単なる普通のコーヒーです。
しかし、ベートーヴェンのことを思いながら、またはベートーヴェンの音楽を聴きながらこのコーヒーを飲むことは、家に居ながらタイムスリップしたような、30分間の不思議な時間を楽しむことができたのです。
余談ですが、この淹れ方なら、スケールやメジャースプーンがなくてもコーヒーを淹れることができますね!
コーヒーの仕事をしていると、「最低限の設備の状態でコーヒーを淹れて。」と言われることがたまにあります。
キャンプなどの野外活動の時が多いのですが、「お湯とコーヒーがあるから淹れてよ。」というような状況です。
おいしいかどうかわからないよー。
内心ではそう思いながらも、できる限りおいしいものを淹れたいなと思う瞬間です。
次回こんな場面に遭遇したら、1杯60粒のベートーヴェン方式を採用してみたいと思っています。