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執筆の壁
書くことがどんなに好きでも、この「壁」にぶつかることがあります。
この「壁」を前向きにとらえるか後ろ向きにとるかで、未来の結果はさておき(社会の側)、創作の取り組み方(自分の側)が大きく変わってしまいます。
このテーマは、いつか書きたいと思っていたものですので、自分なりに、経験を踏まえて分析をしてみます。
参考になれば幸いです。
1 挫折感
出版社に持ち込んで断られる。賞に応募して落選する。予選にも残らない。添削の先生に「だめ。可能性ゼロ」と烙印を押される。友人に「つまらない」と突き返される。これらは社会の評価です。他者の判定です。
落ち込みますが、自分が挑戦しなければ、このような現象は起こりません。すべては自分が原因です。自己評価がOKだからこそ、挑戦したわけです。自己評価が甘かったり足りなかったために、こうした社会の反応にあったわけです。
つまり自分に気が付かない課題があるともいえます。結果的には、教訓を求めて得たともいえるのではないでしょうか。
これらの社会的反応を振り返ると、ヒントが隠れていたり、それとなく、あるいはあからさま、弱点を指摘してくれていることがあります。
再出発の糸口が、この辺りにあるのではないでしょうか。
2 疲労感
これはちょっと「やばい」と感じる瞬間です。
頑張り過ぎて心身ともに消耗して、何もやる気力がなくなることです。
短期間で結果を出そうとして、無理に無理を重ねて、自分を極限まで追い込んだ後に訪れる、なんともいえぬ消耗感です。
運動の疲労感とも違います。神経疲労とも違います。両方で、かつそれ以上の精神や生命力の放出感が酷い場合です。
こんなときは休むこと、充電すること、回復するまで待つこと、気分転換すること、生活や医療も含めて、点検して見直すことが大切でしょう。
これも原因はすべて「自分の取り組み方」にあり、短距離ランナーがそのまま長距離を走るような方法のためにスタミナがなくなったとも言えます。
こんな場合は、長距離ランナーが疲労を回復しながら走り続けるように、自分の長く続けられる「ペースや生活の仕方」を見出すことが大切なのでしょう。健康のために。
3 自信喪失
自分は才能がない。可能性もない。間違った人生選択をしている。
創作にこだわらなければ、もっと人生は楽しいのに、なんでこんなことにこだわるのか。
会社員として、組織の中で潰しがきかないのは、これが原因か。友人を失ったのはこれが原因か。才能なんかにこだわるから、むずかしい人生になるのでないか。というように、現象を利害損得から見てしまい、際限なく考え込むことがあります。
そこで創作のこだわりの奥を覗いてみましょう。そこに人生の選択で「悔いを残したくない」という気持ちがあるのなら、「死ぬときに後悔したくない」という気持ちがあるのなら、創作するのみです。
逆に後悔がないというのなら、さっさと創作なんかやめればいいのです。何も問題はありません。
もし、捨てきれない何かがあるなら、それが「自分の原点」でしょう。
4 板挟みになる
色々な事情で創作ができなくなることがあります。
仕事で深夜残業が続いたり、生活で、介護や病気や家庭、子育てなどで、心身ともに多忙になり、一切余裕がなくなるときです。
社会の中で生きている限り、創作に取り組めない事態はいくらでもあります。この時の体験はいつか創作の上では「財産」になると思いたいものです。板挟みの時は経験の「貯蓄」を進める時期と、割り切るしかありません。
人さまざまな事情であるでしょうが、公私ともに大変な時でも心の奥で「いつか、やるぞ」という思いがあるのなら、板挟みの時期が終わった時に「自分の時間」ができるのではないでしょうか。
悲劇的なのは、まさにこのときに今までの無理がたたって、命が危なくなることです。定年して、すぐに亡くなった方を私は何人も知っています。亡くなった方々は、きっと無念だったと思います。
実は板挟みの時に大切なのは、将来のための「健康への投資」ではないでしょうか。いつか来る「自分の時間」を生かすために、「自分を守る」ことが必須なのです。
5 行き詰まり
本来の創作が行き詰まることがあります。
どう書いてもレベルが上がらない。展開が見えない。アイデアが浮かばない。筆が進まない。「創作そのものの壁」です。
この苦労はプロの先生方とは比較にならないものの、自分程度の取り組みでも、創作を中断することは多々あります。
こんなときは、何年でも作品を寝かせるしかないでしょう。将来のいつか取り組もうと割り切るしかないようです。
もちろん、必死に考え抜いて閃くこともあるでしょう。散歩している時、風呂に入っている時、電車の中で揺れている時。何かがヒントになって壁の突破口が開けると、まさに創作の醍醐味です。一気にはかどることがあります。爽快です。結果はどうあれ。
きっかけがあると「壁は自分が作ったもの」だと自覚できるのかもしれません。自分がいつの間にか「自己評価の基準」を高くしすぎたために、創作できなくなることはよくあります。
実力の不足と自覚するときは、小さな目標から取り組むことがよいと思います。小さな目標は「すぐできる」し、気分転換になりますし、少し成果を上げた嬉しさもあり、ステップを段階的に上げているような実感があります。
いきなり大作を作る前に、意図的に「手ごろな作品」を作るのもいいのではないでしょうか。
6 怠け癖
ファンタスティックコント(ショートコント)のきっかけも、こんなところにありました。noteに川柳など短時間でまとめられる作品から投稿し始めたのも、自分の気持ちを乗せていく工夫のつもりでした。
実は、これは「怠け癖を乗り越える」ためで、創っては発表する「サイクル」に自分を乗せていきたいと思ったからでした。
努力の先送りの習慣。近道はないかと楽して作る方法ばかり考えている自分。取り組まないで、ただ言い訳ばかり考えている自分。
こんなときは目標を壁に張り出して、自分を叱咤激励するかもしれません。まるで軍隊みたいに。
たぶん、すぐに、目標の見直しをしたくなるでしょう。
むしろ目標を達成するたびに、自分にご褒美を上げるのも、いい方法かもしれません。
このあたりの工夫は、色々な方の話を聞いてみたいものです。では。
長編とショートコントのリンクを貼ります。
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