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ディズニーとピクサーの軌跡 挑戦と革新の物語
エンターテイメント業界は、映画やアニメーションだけでなく、ビジネスとクリエイティブが交錯する不思議な場所ですね。
ときに壮大な夢を描き、そこに膨大な投資が集まる一方で、その裏側には経営判断やリーダーシップといった現実的な要素も色濃く存在しています。
今回は、ディズニーの元CEOの「ディズニーCEOが実践する10の原則」と、ピクサーの元CFOの「PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話」をご紹介します。
ディズニーとピクサー
ディズニーとピクサーといえば、「トイ・ストーリー」や「ファインディング・ニモ」など、誰もが知る作品の数々を生み出してきた会社として有名です。しかし、その関係が最初からスムーズだったわけではありません。
かつて独立企業だったピクサーは、経営危機に苦しみながらも革新的な3DCGアニメーションを武器に成長を遂げました。オーナーはあの有名なスティーブ・ジョブズでした。
そして、多くの困難を伴いながら、ディズニーがピクサーを買収したことで、双方にとって新たな可能性が開かれました。
こうした企業間のストーリーが背景にあるからこそ、2つの本の内容は互いを補完し合うようなかたちで描かれています。
各書籍の概要
「ディズニーCEOが実践する10の原則」
ボブ・アイガーは、ディズニーという巨大企業のトップとして、数々の戦略的買収や事業拡大を成し遂げました。この本では、その過程で培われたリーダーシップや哲学が、具体的なエピソードとともにつづられています。
たとえば、ディズニーは既に映画やテーマパークなどの事業を展開していました。そこから「ピクサー」「マーベル」などを次々と買収し、配信サービス「Disney+」を展開するなど、常に前向きなリスクテイクを実行してきました。
アイガーが強調するのは、「人を大切にし、信頼関係を築く姿勢」「イノベーションとリスクテイクを恐れない勇気」「決断を先送りにしないスピード感」などです。
そうした理念が10の原則として整理され、読者にとっても仕事や人生に生きるヒントが散りばめられています。
「PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話」
一方、ローレンス・レヴィーはピクサーのCFOとして、いわばビジネス面の舵取りを任されていました。
ピクサーといえば「トイ・ストーリー」をはじめ数々の名作で知られていますが、当初は映画スタジオとして十分な収益をあげられず、IPO(株式公開)やディズニーとの交渉など大きなハードルが存在していました。
この本の面白いところは、クリエイティブな才能が集結したピクサーの内情を掘り下げている点です。人員の配置や資金調達、リスクをどうコントロールするかなど、経営者や投資家でなくても興味を惹かれる要素が詰まっています。
また、当時のCEOであるスティーブ・ジョブズとの関係、ディズニーとのライセンス契約の苦労話なども率直に語られており、エンターテインメント企業の成功がいかに多くの試行錯誤の積み重ねによるものかが実感できます。
リーダーシップとリスクテイク
2つの本で一貫して描かれるのは、大きな意思決定やリスクを取ることの大切さです。アイガーは積極的に巨額の買収を進める一方、ピクサーやマーベルの創造性を尊重する姿勢を同時に示しています。
つまり、単なる企業の買収劇にとどまらず、外部の才能をどう取り込んでいくかに配慮を続けたからこそ、ディズニーというブランドを強化できたのだとわかります。
また、「PIXAR」では、レヴィーが具体的な資金繰りや収益モデルをどう構築していったかに焦点を当てながら、スティーブ・ジョブズとのやりとりを通じて大胆な判断を下していくプロセスを描きます。
映画制作は多額の投資が必要なうえ、ヒット作が出るかどうかは公開してみないと分からないという厳しい世界です。そういった不確実性に立ち向かうためには、決断力と度胸が必要でした。
ボブ・アイガーが大事にしていること
どんな大人になっても、何を成し遂げても、その昔、物事が単純だった頃と同じ子供の自分がまだそこにいる。ある意味で、リーダーシップの基本もそこにあると私は思う。
世界中から、権力者だ重要人物だと祭り上げられたとしても、本当の自分を見失わないことが、リーダーの本質だ。自分を過信しはじめた瞬間に、肩書きに頼りはじめたその瞬間に、人は自分を見失ってしまう。
人生のどの段階にいても、あなたという人間は昔も今も変わらないことを心に留めておいてほしい。それが何よりも難しく、何よりも大切な教訓だ。
ここからは、どれだけ偉業を成し遂げても自分らしさを失わない姿勢が伝わってきます。肩書きや周囲からの評価に惑わされず、本来の自分の価値観を大切にしている姿が、率直で誠実な人柄を物語っています。
個性の強いCEOが目立つ中で、協調や信頼関係に加えて、謙虚で自分らしい姿勢を重要視する人物が大企業のトップに立つのは珍しいのではないでしょうか。
まとめ
この2冊の本からは、ディズニーとピクサー両社の視点からそれぞれのストーリーを理解することができます。
一つは、トップ企業としてのディズニーが、どのように巨大なブランドを拡大してきたか。もう一つは、ピクサーが、クリエイティブとビジネスを両立させながらどのように世界最高峰のアニメーションを生み出す企業へと成長していったかです。
両書を通じて学べるのは、成功をつかむための絶妙なバランスと、リーダーシップの大切さです。ディズニーとピクサーが歩んだ道のりは、華やかな表舞台だけでなく、地道な努力や大胆な決断で支えられています。気になった方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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