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理由なき焦燥 と 涙活
原因不明の焦燥感というのは、生きていれば誰にでもあるのかもしれない。
空がこんなに青いのも、電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのもみんなわたしが悪いのさ
という落語の一節があったらしいが、そんなことよりこの心の乱れをどうにかせねば。
こういう場合は息が上がるくらい全速力で走るとスッキリする場合がある。
とはいえ急な動きは怪我につながることもあるので全速力は避け、時々軽く走る程度のwalkingに出かけた。
2.5kmほどの道のりも、運動不足な私にとっては程よい距離である。
帰宅する頃には汗だくになっていた。
軽度の焦燥感であればこの程度のwalkingでスッキリするのだが、今回はまだ十分ではなかった。
そこで最後の切り札、涙活である。
とにかく泣いてスッキリすることが目的であるため、手っ取り早く泣けそうな小説をネタバレしない程度のレビューを見てピックアップし、電子書籍でダウンロードする。
電車の中など公共の場で涙活をするのは避けて、夜、布団の中で読むのが最も効果的。
鼻水で呼吸ができなくなった時のための鼻炎スプレーとティッシュを枕元に用意し、いざ乱読!
泣けた。やっと泣けた。スッキリした!
今回の涙活の友は、こちら。
森沢明夫氏の作品には共通のモチーフとして、ホタルブクロ型の風鈴が登場するのが常のようだ。
同じ作家さんでも作品の世界に入れるかどうかは当たり外れがあるようだが、今回選んだ作品は読み始めて数ページ目ですぐに涙が溢れてきた。
主人公の奥さんの一途さ、いじらしさが私には刺さった。
惜しむらくは、奥さんの人生がもう少し丁寧に描かれていたら、もっとグッときていたかもしれない。
やはり、涙活するとストレス発散できるのがとても良い。
こういう時のために、涙活専用の本をいくつか積んでおこうと思う。