マガジンのカバー画像

New Masterpiece Magazine

8
今年で設立10周年を迎えた電子音楽レーベル、New Masterpieceについての覚書です。
運営しているクリエイター

記事一覧

New Masterpiece in KYOTOができるまで (2008-2017)

▶︎〈New Masterpiece〉は今月末、京都・外でイベントを開催いたします。本レーベルはもともと、2013年7月に東京と京都の二箇所で開催したWOODMAN『One Loop Beyond』のリリパから発展・設立されたレーベルでして、11年経って同じタイトルで関西、ひいては京都で開催できるとは思ってもみませんでした。というわけで、今回のイベントに行き着くまでの経緯をまとめてみました。 ▶︎客として行ったイベントは▷、主催したイベントは◉として分けています。 ①▷20

『Domestic Science』発売記念・takyaディスコグラフィ②/2014-2021, NewMasterpiece編

CD発売より1ヶ月が経過した『Domestic Science』、ひとまず界隈での評判は概ね好評のようでありがとうございます。彼を知らないテクノ好きにこれをどうやって広めるかが今後の課題です。 takyaの過去作ディスコグラフィに続き、このページでは過去に本レーベル〈New Masterpiece〉のコンピレーションやリミックスなどへの提供曲を紹介していきます。 ちなみに私が初めて彼に曲を要請したのはレーベル設立以前2012年にリリースしたテクノ・コンピレーション『Blee

『Domestic Science』発売記念/takyaディスコグラフィ

▶︎▶︎本項はトラックメイカー・takya(タクヤ)による2024年の最新アルバム『Domestic Science』収録のライナーノーツから、前半のディスコグラフィ部分を再編集してお送りします。 ▶︎本作よりアーティスト名表記を”takuya”から改めていますが、本人の遍歴を追っていく便宜上、旧表記で統一しております。 ① 199x-2005 / 燐光と混濁▶︎▶︎藤沢を拠点に活動するtakuyaは学生時代、バンドでベースを担当するも肌に合わず、音楽ツクールやPCに偶然入

New Masterpieceがこの10年、何をしてきたのか (圧縮版)

▶︎▶︎〈New Masterpiece(ニュー・マスターピース)〉は、hitachtronicsによって2013年に設立された日本の電子音楽レーベルです。東京の異端電子音楽家/テクノミュージシャンであるWOODMANを後見人として2013年9月25日に立ち上げられました。▶︎本レーベルの前身は主宰の同人漫画サークルでした。同年5月に本サークルより発売した大作『One Loop Beyond』のリリースパーティーのタイトルをそのまま流用したものです。この『One Loop B

New Masterpieceがこの10年、何をしてきたのか (①:2013-2016)

Introduction ▶︎▶︎2023年9月末で設立10周年を迎える<New Masterpiece>。ここ数年はコロナ禍もあり活動は超スローペースでしたが、振り返ってみればサブレーベル含め膨大な量のリリースになりました。本項では、その作品群・イベント等をリスト化していきます。各作品は時間の都合上、いちいちリンクを貼っていられないため、気になったものはタイトルを検索してみてください。 ▶︎本レーベルの活動期を大まかに3つに分け、本項ではそのうち設立年から初期の後見人であ

New Masterpieceがこの10年、何をしてきたのか (②:2017-2019)

Introduction ▶︎▶︎2023年9月末で設立10周年を迎える<New Masterpiece>を作品/イベントのリストで振り返る本項。▶︎前回1P目もアップ後から順次テキストを付け足しておりますので、改めてご一読ください。 ▶︎本項では<WOOD TAPE ARCHIVES>発足から『新蒸気波要点ガイド』発刊の2019年までお送りします。 ▶︎▶︎2017Release: New Masterpiece ▶︎(カッコが付いてないタイトルは全てDataです)

New Masterpieceがこの10年、何をしてきたのか (③:2020-2022)

Introduction ▶︎▶︎2023年9月末で設立10周年を迎える<New Masterpiece>を作品/イベントのリストで振り返る本項。▶︎本項ではコロナ禍以降、2020年から昨2022年までをお送りします。本年については後々付け足す予定です。 ▶︎これまではこちら。 1P目(2013-2016) 2P目(2017-2019) ▶︎▶︎2020Release: New Masterpiece 0101/// [nmpMIXTAPE017] hitachtron

架空の恐竜展 (2016.2-2019.5)

20年間、恐竜展に足を運ばなかった。 小学1年生の頃、読売新聞の販売員が持ってきたチケットに描かれた絵に発奮し、開催まで毎日のように親にせがんで観に行ったものは、ドイツを経由してアフリカからやってきたブラキオサウルスの完全骨格だった。幕張メッセが建つ5年前に博物館ではなく新宿駅の南口、まだ空き地になっていた場所に大きなテントが建ち、そこで大々的に恐竜展が開かれたのだ。まだ背丈100cmちょっとだった小学生の目には全高11mの竜脚形類はひたすら巨大に映り、僕の家に届くスーパーの