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New Masterpieceがこの10年、何をしてきたのか (圧縮版)

▶︎▶︎〈New Masterpiece(ニュー・マスターピース)〉は、hitachtronicsによって2013年に設立された日本の電子音楽レーベルです。東京の異端電子音楽家/テクノミュージシャンであるWOODMANを後見人として2013年9月25日に立ち上げられました。▶︎本レーベルの前身は主宰の同人漫画サークルでした。同年5月に本サークルより発売した大作『One Loop Beyond』のリリースパーティーのタイトルをそのまま流用したものです。この『One Loop Beyond』は昨年秋、装丁を大幅に変更してCDを再リリースしました。

▶︎その最初期は沖縄のヘントナー大佐や金沢のtanaka scatなど、地方で活動するミュージシャンによるテクノ/エレクトロニカを多くリリースしていましたが、ビートメイカーのΔKTRがA&Rとして参加後は2010年以降インターネット上に起こったムーブメント”Vaporwave”(ヴェイパーウェイヴ)のアーティスト(豊平区民、DJ badboi、さよひめぼう、NO喫茶…)を多く取り上げはじめ、合わせてカセットテープも少数限定でリリースするようになります。

豊平区民TOYOHIRAKUMIN 『メモリーレーン』カセットテープ (2016/2017に再発)

▶︎2017年に(おそらく)世界初のVaporwaveガイドブックとなったZINE『蒸気波要点ガイド』を制作しました。このZINE版は二刷合わせて500部が発売後即売り切れ、大幅に改訂増補を加えて2019年に『新蒸気波要点ガイド』としてDU BOOKSから刊行。現在も第4刷が発売中、noteのDU BOOKSアカウントにて昨年より関連企画を断続的に掲載中です。

▶︎2018年と2019年にはEquip、death’s dynamic shroud、R23XといったVaporwaveの代表的アーティストの来日ツアー『NEO GAIA PHANTASY』から東京公演を2年連続で主催。(2019年は〈Local Visions〉との共催)

2018年『NEO GAIA PHANTASY』東京公演(渋谷ツタヤO-nest)のフライヤー
2019年『NEO GAIA LEGEND』東京公演(渋谷CIRCUS TOKYO)のフライヤー

▶︎レーベルの後見人だったWOODMANは2016年7月に急逝。彼が1990年代から遺した膨大なカセットテープ音源をデータ・アーカイブ化する〈WOOD TAPE ARCHIVES〉を翌年サブレーベルとして設立、2022年6月には〈JET SET〉よりMACARONIMAN名義の音源がレコード化されました。

MACARONIMAN aka WOODMAN『Downtown Science』
1999年のカセット作品をLP化に際してリニューアルしたジャケット。
イラストにはWOODMANの愛娘にご参加いただきました。

▶︎さらに、本企画の共同発起人である虹釜太郎が1990年代から発表し続けている膨大な音源のデータ復刻〈Weekly Nijikama〉も2017年より配信開始。▶︎2022年にNYの新興レーベルよりJigen『狂雲集』『狂雲求敗』がLPで再発されましたが、本レーベル宛に舞い込んだ一通のメールが再発のきっかけになりました。

▶︎2020年のコロナ禍以降は再発中心で表立った活動はありませんでしたが、〈New Masterpiece〉は2023年9月をもって設立10周年を迎えます。いい機会ですし(敢えて)CDでのリリースを数作企画中です。お楽しみに。

WOODMAN『One Loop Beyond: One Loop Decade Edition』(2022)

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