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新規顧客を増やしたければ、この"値"を上げよ!【ヒットの因数分解#4】

前回の記事では、強みの見つけ方として、3C分析、VRIO分析という2つのフレームワークをご紹介しました。

フレームワークを使って強みが見つけてお、それをどう活用したらいいんでしょうか?と言われることがあります。

強みは、競合と競争しないポジション、つまりはニッチなブルーオーシャンを発掘する上で重要です。同じ強みを売りにしている競合がいないからこそ、「これじゃなきゃだめだ!」と指名買いされるようになり、高くても売れるようになります。

これがブランディングの原点ですが、ブランディングの話はまた後日。

今回の記事では、このように「これじゃなきゃだめだ!」と指名買いしてもらうために、複数ある強みをどう整理し、どれを真の強みとすれば良いのか?、強みを活かして新規顧客を増やすには何を発信したらいいのか?を考えていきます。

真の強みとは何か?

「強みは何ですか?」
と聞くと、
飲食業:「おいしさ」「こだわり」
食品製造業者:「安心安全」「県産素材を使用」「こだわり」「おいしさ」
エステ業:「癒される」「経験豊富」
といった回答が多く聞かれ、これを強みとしてアピールしていることが多く見られます。

もちろんこれらを無視していいわけではないのですが、言葉が抽象的だったり、競合も同じこと言ってる内容だったりが多いので、消費者から見たら、そのお店、その商品じゃなきゃダメな理由にはなっていないことが多いのです。

前回のフレームワークでも3C分析では、競合(Competitor)と被らない強みを見つけること、VRIO分析ではR(Rarity=希少性)があるか?という視点で真の強みを見つけることに触れました。

このように真の強みとは、自分自身の視点や主観だけで決めるものではなく、消費者から見た時に、競合との違いがあるからこそ選ばれる訳なので、3者の視点から決めることが重要です。

新規顧客とリピーターでの意思決定の違い

このような説明をすると、「美味しいからリピートしたというお客さんが多いし、美味しさが一番の強みです」と言われる飲食店さん、食品製造業者さんが多くいらっしゃいます。

リピーターが多いということは美味しさだけでなく価格面を含めたコスパがいいということなので、言い換えれば「満足度」が高いということ。

このように「満足度」が高ければリピーターは増えるので、今後も順調にいくと考えられます。

だからと言って、これがそのまま新規顧客の増加につながるかと言えばそうではないのです。

見込み客にとってはコスパは購入した後でしか判断ができないため、美味しさを強みとしても初回購入の理由にはなりにくいのです。
また、おいしさアピールは競合もやっているため、美味しいアピールだけでは違いが明確になりません。

誤解を招くといけないので念の為書きますが、美味しさは「満足度」を上げる上で重要な強みです。
ただ、あくまで初回購入のきっかけになるか?という観点では、おいしさは強みにはなりにくいということです。
もちろん、リピート率を高める上では、おいしさは最重要な強みです。

では、見込み客が何を元に購入の意思決定をしているかと言えば、ずばり「期待値」です。
また、何に対しての期待値かと言えば、自分の抱えている悩みや課題を解決できたり、ニーズを満たしてくれるはず!という期待です。

消費者はあくまで自分にとって必要かどうかで購入の意思決定をするので、冬にコートを買っても夏にコートを買わないように、同じものでもその時の消費者自身の置かれた状況で買う、買わないが変わります。
つまり、商品・サービスそのものを買っているわけではないということです。
この辺りの話は以下の記事にまとめているので、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

初回購入は「期待値」で選ばれ、リピート率は「満足度」で選ばれる

まとめると、初回購入は「期待値」で選ばれ、リピート率は「満足度」で選ばれるのです。

消費者に、「この商品なら悩みが解決できるはず」、「この商品なら自分のニーズを満たせるはず」という期待値が高くなるほど新規購入者が増えます。そして、お金を払って商品を購入し、体験したのち、実際に期待通りかそれを上回れば「満足度」が高くなり、リピート購入につながっていくのです。

つまり、「期待値」と「満足度」は別の指標ではなく、同じ強みを元に事前評価(期待値)と事後評価(満足度)でつながっているのです。

自社の強みの中から、競合と違っていて、期待値を高めることができる強みを決め、それをアピールしていくことが重要です。

注意したいのは、同じ飲食店でもファストフードと高級飲食店では利用者が期待するポイントが異なる点です。

ファストフードは「パッと食べれる(そして、そこそこ美味しい)」ことが期待されていますが、高級飲食店では「会話を楽しみながら、ここでしか体験できない極上の美味しい料理を味わえる」ということを期待しているお客さんが多いでしょう。

高級飲食店でパッと料理を出した場合、高い値段を払ったのに早く出ていけとお客さんに感じさせてしまう恐れがあり、同じ料理を提供していてもお客さんは居心地悪く感じて、顧客満足度は下がってしまいますので要注意です。

商品ブラッシュアップとは、期待値を高めること

小規模事業者の支援を行っていると、どの事業者も製品(商品の中身)のクオリティの高さに驚くばかりです。

なのに、売り上げが伸びないのは、「満足度」は十分磨けてるのに、「期待値」の磨き上げが必要なことに気づいていないことが理由です。

磨けば光るのに、磨けてないから光っていないだけなのに、その段階で売れないと判断するのは早いのです。

この状況で次々に新商品を開発し、数打てば当たる戦法はおすすめしません。
なぜなら、既存商品の期待値の磨き上げができなければ、新商品を作っても同じく期待値の磨き上げができないからです。

商品ブラッシュアップは品質を上げることばかりに注力しがちですが、中身はすでに立派な宝なのですから、期待値を高める強みを見つけ、その伝え方をブラッシュアップして新規顧客を増やすことが、すぐに売上を伸ばせるポイントです!

ぜひ一度、自身の商品・サービスに、どんな期待をしてもらえているか?を想像してみてください。

一人では期待値の磨き上げが難しいという場合は、ぜひお声がけください。一緒に光る宝に磨き上げ、大いに期待値を高めましょう!

では、今日はこのへんで!

【おまけ】
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