原作を下地として待ったく別の映画を作ってしまったかのような ~ 「シャイニング」スティーブン・キング原作、キューブリック監督作品
スティーブン・キングの小説の映画化。アガサ・クリスティの作品を例にあげるまでもなく、小説の映画化は、これまで数多くの作品があります。
でも、ほとんどが、原作を超えることが出来ないものばかりのような気がします。
しかし、これはちょっと異質です。
原作を超えるというよりは、原作を下地として待ったく別の映画を作ってしまったかのような印象があります。
しかも、完成度の高い作品として・・・
スティーブン・キングの小説に見られる、あの生々しい心理描写、詳しい事象の描写、そのときの風俗、文庫本丸まる一冊を費やして描かれた部分が思い切って省かれ、映画ならではの特殊映像効果を効果的に見せる作品に仕上がっています。
ホテルの廊下の向こうから血が流れ出してくるところ
冒頭のホテルの空撮シーンの、雪の白とホテルの色合いの対比をみせるところ
怪しげな双子の少女
といった場面が鮮明に記憶に残ります。
さらに、この映画を、とてつもない高みに押し上げているもの。
それはジャック・ニコルソンの演技でしょう
ここまで狂った男を演じきれた俳優は、彼くらいなのではないでしょうか?
原作を先に読んでもよし、映画を先に見てもよし。
この作品は、映画と小説の両方を味わってこそ、より深く理解できるような気がします。
スタンリー・キューブリック監督が残した名作ですね
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