混沌とした時代に必要とされたアルバムかもしれない ~「Mariah」マライア・キャリー
誰もが純粋に、何にもとらわれず、本能の赴くままに、突き動かされている瞬間がある。
歌う喜び、表現する楽しさ。
そこには、躍動する心があるのだろう。
マライア・キャリーは90年に本作でデビュー。
7オクターブの声という、本質ではない部分で訴求されていたような気もするが、本質はそこではないだろう。
90年代初頭、R&Bという言葉が、まだぎりぎり機能していた時代にあって、この作品は、このジャンルの大いなる傑作と言ってもいいかもしれない。
何よりも、ビジネスに飲み込まれる前、素直に表現を楽しんでいる姿は幸せそのものだ。それはこの時期の彼女の楽曲やPVをみているだけでこちらに伝わってくる。
混沌とした時代には、こういったアーチストが必要だったのかもしれない。
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